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極楽浄土の情景を地上に現した平等院鳳凰堂、究極の美を追求した世界遺産の名蹟を巡る旅

記事公開日:2017/02/17

日本を代表する名蹟の1つに挙げられる京都府宇治市の「平等院鳳凰堂」。ここは十円硬貨のデザインにも採用されているほど有名な京都の観光スポットでもあります。今回は改めてその美しい姿を池の水面に映し、極楽浄土の情景を地上に出現させたともされる世界遺産で、1000年を超えて受け継がれる建築美を知る旅へとご案内します。

正面から見る平等院鳳凰堂

※写真は正面から見る「平等院鳳凰堂」

 

1000年の時を超えて受け継がれ、平安貴族の隆盛と栄華を今に伝える国宝

 

京都府宇治市にある「平等院」は平安時代後期の天喜元年(1053年)、関白であった藤原頼通による開創です。この浄土式庭園の池の中島に建てられた阿弥陀堂「鳳凰堂」は、極楽浄土の情景を地上に現したものとされ、究極の美しさを求めて造営されたものです。

 

堂内には平安時代最高の仏師と言われた「定朝(じょうちょう)」による、金色の阿弥陀如来坐像が安置されていて、壁画や多数の菩薩像で装飾され、華やかさを極めたものとなっています。この究極の美を追求した鳳凰堂は国宝に指定されているのはもちろん、平成6年(1994年)には世界遺産にも登録されました。

 

水面に美しい姿を映す鳳凰堂

※写真は水面に美しい姿を映す鳳凰堂。平成24年からは「平成の大改修」が行われ、外装の塗り直しと屋根の葺き替えなどを経て、平安時代当時の姿に蘇ったとされています。

 

西方の極楽浄土を模した平安建築の粋、鳳凰堂はこうして建立された

 

宇治の地は京都の南に位置し、宇治川の流れと仏徳山、朝日山などの自然に擁かれた風光明媚な里。ここは紫式部の「源氏物語、宇治十帖」の舞台でもあり、平安時代初期から貴族の別荘が建てられた地でした。

 

そしてこの平等院は源氏物語に登場する光源氏のモデル、左大臣・源融(みなもとのとおる)の別荘が宇多天皇などを経て藤原道長の別荘となり、「宇治殿」と言われたものでした。藤原道長と言えば、藤原氏が最も栄えた時代の摂政であり、平安期の貴族文化が最高潮に達したと言われる時代でもあります。

 

この藤原道長が没した後は、子の藤原頼通が宇治殿を寺院として改め、「平等院」としました。そして阿弥陀堂である「鳳凰堂」を建立し、定朝の手による阿弥陀如来坐像を安置しました。そんなこの当時は末法思想が広まった時世、極楽往生を願う人々は宇治川の岸辺に佇むこの美しい鳳凰堂を目にし、これはこの世に現れた極楽浄土であると捉えます。

 

鳳凰堂

※写真は鳳凰堂。建立当初は宇治川や対岸の山々の景色を取り入れ、西方の極楽浄土を模していたとされます。

 

鳳凰堂を巡ってから宇治川の中州を対岸へ。平等院周辺地域の歩き方を知る

 

平等院の境内には阿字池を中心とした浄土式庭園が広がり、その中島に鳳凰堂が建っています。庭園は国指定の名勝であり、鳳凰堂へは池の北岸から2つの小橋を渡ってアプローチします。鳳凰堂は東を正面にして中堂が建ち、北翼廊と南翼廊が左右に連なっています。中堂は石積みの基壇上に建ち、屋根には一対の鳳凰が飾られ、正面中央の扉を開けると、池の対岸から阿弥陀如来の顔を拝する事ができるように設計されています。

 

堂内は阿弥陀如来坐像を中心に、壁や扉に九品来迎図や極楽浄土図が描かれ、長押(なげし)上には音楽を奏でる52躯の雲中供養菩薩像が懸けられています。これらは国宝とされ、平安仏教を偲ぶ貴重な遺構となっています。また、境内には鎌倉時代初期の観音堂や鐘楼、国宝の美術工芸品などを収蔵する「平等院ミュージアム鳳翔館」なども散在しています。

 

平等院の周辺地域を巡れば、宇治川の中州の塔ノ島、橘島と宇治川右岸の園地からなる宇治公園があり、対岸には応神天皇の皇子、菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)命の宮居の跡とされる「宇治神社」の姿も。そして正面の仏徳山の麓には日本最古の神社建築とされ、国宝にも指定されている「宇治上神社」などの名勝や古跡が散在、古都の風情が今も溢れる地となっています。

 

鳳凰堂の中堂

※写真は鳳凰堂の中堂

 

今回ご紹介した京都府宇治市の旅行スポット

 

名称:平等院
住所:京都府宇治市宇治蓮華116
アクセス:JR奈良線「宇治駅」、京阪電鉄宇治線「京阪宇治駅」徒歩約10分
拝観時間:庭園は8:30~17:30(受付は17:15まで)、鳳凰堂の内部は9:10~16:10、平等院ミュージアム鳳翔館は9:00~17:00(受付は16:45まで)
拝観料:大人 600円、中高生 400円、小学生 300円(庭園、平等院ミュージアム鳳翔館共通)※鳳凰堂内部の拝観は別途ご志納金 300円
参考リンク:世界遺産平等院公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

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