国宝・鎌倉大仏、国内屈指の人気観光スポットで大仏様の胎内を巡る旅
鎌倉の中で鉄板とも言える人気観光スポットの1つが鎌倉大仏(鎌倉大仏殿高徳院)。今回は一度を見ておきたい国宝の大仏様の「胎内」を巡る旅をご紹介していきます。
鎌倉でも3本の指に入るであろう人気スポット、国宝の大仏さま
鎌倉観光の代表的なスポットと言えば「鶴岡八幡宮」「長谷寺」、そして「鎌倉大仏」。そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?年間2,000万人以上の観光客が訪れるという鎌倉の中でも、この国宝の大仏さまが鎮座する高徳院は特に人気の高いスポットで、連休シーズンともなれば多くの人で賑わいます。
※写真は鎌倉大仏殿高徳院の仁王門
鎌倉大仏を守る二体の仁王像
鎌倉大仏殿高徳院の正面入口に建つのが「仁王門」。鎌倉大仏自体は750年前頃からこの地に鎮座していると言われますが、意外にもこの仁王門の歴史は新しく、江戸時代、18世紀頃に他から移築されたものだと言われます。
※写真は仁王門の吽形像
そして仁王門という名の通り、建物の両側に立ち、鎌倉大仏を守っている仁王様。左側には吽形像と呼ばれる仁王像が、そして右側には阿形像が立っています。2014年には仁王像の修復が行われ、こんなに強そうな風貌で戻ってきました。
仁王門を抜けた先にある入り口で、拝観料をお支払してから手水舎へ。ちなみに手水舎からはまだ大仏さまが見えません。ここで洗い清め、参道を左に曲がった瞬間に目に飛び込んでくるようになっています。これは意図的な工夫なのかはわかりませんが、新鮮な驚きを持って大仏さまを目にする事ができるようになっています。
外国人観光客も「ワ~オ!」大仏さまは有名人ばりに撮影されまくり
手水舎を抜けて左に曲がった瞬間、目に飛び込んでくる国宝の大仏さま。建物の中に鎮座する奈良・東大寺の大仏さまとは異なり、真っ青な空と森に囲まれた、この自然の中に鎮座しているのが特徴の1つです。この大仏さまは外国人観光客の方にも大人気で、周囲からは「ワ~ォ!」という声も。そしてスマホ、カメラに完全に囲まれてしまっている大仏さま、有名人もびっくりのもの凄い人気です。
鎌倉の大仏さまと奈良の大仏さま、その高さと重さ
間近で見る鎌倉大仏こと銅造阿弥陀如来坐像。台座を含めた高さは13.35m、重量は121トンにもなるそうです。ちなみに東大寺の大仏さま(盧舎那仏像)は台座を含めた高さで約18m、重量は約250トンといいますから、奈良の大仏さまも凄いですね。
いつ、誰が作った?謎多き鎌倉の大仏さま
およそ750年前の鎌倉時代に作られたという大仏さま。誰が何のためにこの巨大な大仏さまを作ったのか?昔の資料からはその経緯などがわからず、謎の多い大仏さまだそうです。一説では当初、木造の大仏として1243年頃に一旦完成をみたものの、台風によってあえなく倒壊。その後再び、今度は青銅の大仏として作られたと言います。
もともとは青空の下ではなく、建物の中で金色の光を放っていた
今でこそ青空の下に鎮座する大仏さまですが、実はもともとは、高さ40mほどにもなる大仏殿の建物の中に鎮座していたそうです。この高徳院の境内には56基もの建物の礎石が残っており、発掘調査などからも大仏殿の建物があったのは間違いないだろうと言われています。さらには作られた当初の大仏さまには金箔が貼られていたと言われ、その姿は金色の光で輝いていたとも言います。
幾度の自然災害を乗り越え、21世紀の今もここに鎮座する
今でこそこの静かな表情の大仏さまですが、これまでの歴史は苦労に満ちています。完成以来、幾度も台風や地震、津波等に見舞われ、大仏殿の建物も倒壊。室町時代頃からこの自然の中で野ざらしになっていると言われます。ここから海までは歩いてわずか15分ほどの距離、21世紀の現在まで姿をとどめているというのはやはり凄い事だと思います。
尚、高徳院はこの苦労を経験したからこそなのか、2011年に発生した東日本大震災の影響で鎌倉へ避難した方々への義援金として、拝観料収益の全額を寄付した事もあるそうです(2012年から2015年3月11日分)。
いよいよ、鎌倉大仏の胎内へ
実は背中の部分がパカっと開いています
やや猫背のような、少し前かがみの姿勢が印象的な大仏さま。その後ろに回ってみると、こんな感じで背中の部分が2箇所、パカっと開いています。まるで窓のようにも見えますが、そうなんです、鎌倉の大仏さまは中(胎内)へ入る事ができるようになっているのです。
いざ、鎌倉大仏の胎内へ潜入!
鎌倉大仏の胎内拝観と書かれたこちらの案内板。胎内拝観は別途拝観料が必要とのことでしたが、そのお値段はわずか20円。この日も多くの方が胎内拝観の列を作っていました。
狭くて暗い、小さな入り口。ここは入り口であり、出口でもあるため、中で人がすれ違うのも一苦労です。ちなみに、一度に中に入れる人数の目安は30人となっているそうです。
ぽっかり開いた空洞、数々の継ぎ目の跡
ここが大仏さまの胎内。上を見上げてみるとぽっかりと開いた空洞が。ここは大仏さまの頭にあたる場所のようです。そして印象的だったのが数々の継ぎ目と補修の跡。1959年から1961年にかけて昭和の大修理が行われたそうですが、丈夫そうに見える大仏さまも随分と身体を酷使しておられるようです。そんな事もあってなのか、来たる2016年の1月から3月にかけては胎内拝観を一旦取りやめ、全面補修を行う予定になっているそうです。
大仏さまの胎内に関する説明も書いてありました。鎌倉時代でありながら、高度で緻密な技術を用いて作られた大仏さま。なんと30回以上にも分けて身体を鋳造し、重ねて作られたそうです。現在は強化プラスチックでの補強、ステンレス製の板を敷いて地震対策を行うなどして、大切に守られ続けています。
最後は大仏さまからも歩いて近い場所にある、鎌倉・由比ヶ浜の海辺へ。大仏さまの幾多の苦難が信じられないほどに穏やかな海。子供たちの声が聞こえ、カップルが楽しいひと時を過ごし、なんとも爽やかな景色が広がっています。この季節の鎌倉の海は静かで優しいです。この海から眺める夕陽も綺麗で、旅をするには素晴らしいスポットですよ。
今回ご紹介した歴史スポット
名称:鎌倉大仏殿高徳院
住所:神奈川県鎌倉市長谷4丁目2-28
拝観時間:8:00~17:30/10月から3月は8:00~17:00
拝観料金:200円(一般・高校生・中学生)※小学生は150円
胎内拝観の料金:別途20円が必要
アクセス:江ノ電「長谷駅」から徒歩約8分程度
駐車場:周辺に有料パーキングが複数あり
ニホンタビ編集部
歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。