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神奈川で泊まりたい!風情ある老舗旅館・文化財のある旅館

記事公開日:2015/09/14

歴史旅を楽しむ時に欠かせないのが贅沢なひと時が味わえる名旅館と美味しい料理。ここでは神奈川の歴史旅で一度は泊まってみたい、風情ある老舗旅館や文化財のある旅館をまとめてご紹介。今後も旅館のリストは随時追加していきますよ。

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箱根エリア

 

【1】富士屋ホテル

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

明治11年創業の擬洋風建築(日本の建築技術で造った洋館風の建築)のホテルです。日本初の本格派リゾートホテルであり、当時の外国人に日本建築の雰囲気と洋館の設備、両方を提供しようという趣旨で設計され、和洋の雰囲気が混在した骨董品のような建物が今となっては魅力的です(あのチャップリンなども宿泊したそうです)。本館の外観は和洋折衷の不思議な建物で、中には赤じゅうたんが敷かれてシャンデリアが下がり、どっしりとした柱、細かい装飾で飾られた豪華な造り。昭和5年に作られたメインダイニングルームは有形文化財で、高い天井に趣向をこらした装飾が詰め込まれています。宿泊料金は決して安くはありませんが、こちらのダイニングで食事をするだけでも、その贅を尽くした空間が体験できます。館内見学ツアーや展示室、館内の随所に飾れた写真などからも往時が偲べます。日本庭園や温室を散策することもできますよ。

 

住所:神奈川県足柄下郡 箱根町宮ノ下359
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」からバスで約15分


このお宿の詳細はこちら 富士屋ホテル



【2】環翠楼

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

慶長19年(1614年)に湯治場として開業し、水戸光圀公が訪れた記録が残っているという老舗の温泉宿です。400年の歴史の中で、多くの公人や文化人がこの宿を訪れています。明治時代には徳川家茂の正室だった静寛院宮和宮が病気療養のために滞在し、この宿で亡くなられています。後に天璋院篤姫も和宮を偲ぶためにこの宿を訪れたそうです。また、伊藤博文も定宿としており、「元湯」だった旅館の名を「環翠楼」と名付けました。現在の建物は大正時代のものだそうですが、重厚な中にも落ち着きがある佇まいで、有形登録文化財にも指定されています。

 

住所:神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤88
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から徒歩約13分/箱根湯本駅からバスで約5分


このお宿の詳細はこちら 環翠楼



【3】萬翠楼 福住

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

1625年創業で、国の重要文化財になっている建物は福住旅館の旧館、萬翠楼・金泉楼です。2002年登録ですが、営業している旅館としては初のことと聞きました。こちらの特徴は擬洋風建築で、明治初期の西洋建築に似せた建築物となっていて、明治時代の空気感と建築物の変遷を感じさせてもらえる歴史的建築物です。明治維新で活躍した木戸孝允、井上馨、伊藤博文、福沢諭吉などが宿泊し、偉人たちが執筆した書も残され、館内に飾られています。萬翠楼の名付け親でもある木戸孝允の扁額「萬翠楼」は1876年のものだそうです。

住所:神奈川県足柄下郡 箱根町湯本643
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から徒歩約6分


このお宿の詳細はこちら 萬翠楼 福住



【4】福住楼

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

明治23年に箱根・塔ノ沢に建てられた老舗旅館で、京普請の数寄屋造り、木造三階建てのお宿になっています。島崎藤村、夏目漱石、大佛次郎などの文豪に加え、坂東妻三郎などからも愛されていたそうです。登録有形文化財にも指定されていて、特に竹の美しさが素晴らしいとされています。建物の内部は段差が多く、曲がりくねっていて、ちょっとした探検気分が味わえます。また、様々な欄間が面白いです。中でも幸せを呼ぶとされる蝙蝠の形にくり貫かれた板が数箇所にあって探す楽しみもあります。レトロでシックなバーもあり、とても大人な雰囲気を味わえて気分が良いです。

 

住所:神奈川県足柄下郡箱根町塔ノ沢74
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から徒歩約12分/箱根湯本駅からバスで約5分


このお宿の詳細はこちら 福住楼



【5】仙郷楼

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

敷地に足を踏み入れた瞬間からその歴史を十分に感じさせながらも、歴史の重さを押し売りする感がない、とてもセンスの良いお宿だと思います。身長が高い方の場合は、所によって天井の低い部分があるのが欠点ではありますが(これも昔ながらの歴史を感じる部分でもあります)、明治以降の洋風モダンな雰囲気と、和のスタイルが融合した建物や客室が素晴らしいです。広大な敷地に贅沢に散らばった建物とその敷地の静けさがまた良く、朝夕の散歩ではノスタルジー感が存分に味わえるお宿、お薦めです。

 

住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1284
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」からバスへ乗車、仙郷楼前バス停下車


このお宿の詳細はこちら 仙郷楼



【6】吉池旅館

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

国の有形文化財に登録されている、旧岩崎家別邸の庭園がある名旅館です。三菱財閥創業者の岩崎弥太郎氏の弟で、2代目総師の岩崎弥之助氏のものです。1万坪という広さの回遊式庭園では、四季折々の美しい風景を楽しむことができます。また、庭園には500匹ほどの錦鯉が泳いでいて、錦鯉への餌やりは子供達にも人気です。庭園内には湯本12号源泉が湧き出ていて、散策中に触れることもできます。PH8.7から8.9という高アルカリ性の湯なので、肌に良いとされているそうですよ。

 

住所:神奈川県足柄下郡 箱根町湯本597
アクセス:箱根登山鉄道「箱根湯本駅」から徒歩約6分


このお宿の詳細はこちら 吉池旅館



【7】鶴鳴館 松坂屋本店(現在は一時的に休館中)

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

創業350年の松坂屋は、歌川広重の「箱根七湯図会」の浮世絵にも描かれ、著名人にも愛されている名湯です。木戸孝允と西郷隆盛が密談を行ったという碑があり、勝海舟や山岡鉄舟の名前も残っています。大正天皇以下、皇室の方々や現皇太子様も利用されています。芦之湯の源泉に一番近いところなので、湯質も最良で、プランによっては庭に石の露天風呂付きの部屋があり、布団だけでなくベッドタイプの部屋もあります。共同の大きな温泉は一番奥にあります。

改装されてからは、食事は厨房を真ん中にし、取り囲むようにして半個室が配置されています。料理は創作日本料理で、野菜・山菜、お肉、お魚などをモダンなプレゼンテーションで一品ずつ配膳、ゆっくりと時間をかけて楽しみます。料理の量が多い方だと思うので、食事前に芦ノ湖を散策してお腹を空かせてからでないと食べきれないかもしれません。至る所に350年の歴史を感じさせる展示があり、江戸時代から平成までの歴史を学び直したい気分に浸れる、特別な空間と時間を提供してくれます。

 

住所:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57番地
アクセス:「箱根湯本駅」から箱根町行のバスに乗り、「東芦の湯」バス停にて下車、徒歩約3分


このお宿の詳細はこちら 鶴鳴館 松坂屋本店

 

湘南とその他のエリア

 

【8】岩本楼本館

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

鎌倉時代から続く由緒ある旅館です。江ノ島にあり、長い歳月の中で「岩本坊」、「岩本院」と名が変わり、明治時代以降に「岩本楼」と改名されました。弁天信仰が盛んだった江戸時代には、勅使、将軍、大名等の宿泊所(岩本院)になっていたと言われています。また、「岩本院」の名は講談、芝居、小説等の数々の名作にも取り上げられています。有形文化財にもなっているステンドグラスが美しいローマ風呂は、光が差し込むと幻想的な雰囲気になります。浴室の壁面にはタイルやテラコッタを、脱衣室境には孔雀模様のステンドグラスを取り付けています。ステンドグラスは別府七郎、タイル等は小森忍の製作と言われています。

 

住所:神奈川県藤沢市江の島2-2-7
アクセス:小田急電鉄江ノ島線「片瀬江ノ島駅」から徒歩約15分


このお宿の詳細はこちら 岩本楼本館



【9】茅ヶ崎館

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

都心から1時間程度で行ける湘南、神奈川県茅ヶ崎市にある明治32年創業の老舗旅館が「茅ヶ崎館」です。国指定の有形文化財であり、小津安二郎監督が定宿にしていたことでも有名です。浴場は創業当時から使い続けていて、歴史を感じながらゆっくりとした時間を過ごす事ができると思います。海までの距離が徒歩3分程度というのも湘南らしい魅力かと思います。ちなみに食事のみ、宿泊のみといった利用も可能で、現在は若旦那さんが経営を引き継ぎ、若い文化も取り入れながら歴史を守っています。

 

住所:神奈川県茅ヶ崎市中海岸3丁目8-5
アクセス:JR東海道本線「茅ヶ崎駅」下車、南口から徒歩約20分、タクシーの場合は5分程度


このお宿の詳細はこちら 茅ヶ崎館



その他エリア

 

【10】鶴巻温泉 元湯 陣屋

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

陣屋は将棋のタイトル戦の場所として使われる伝統ある旅館で、特に「陣屋事件」という出来事で知られています。1952年、王将戦第6局、木村義雄名人vs升田幸三八段の対局でのことです。当時升田氏は4勝1敗で勝ち越しており、規定により第6局では名人に対して香車を落とす(升田八段が左の香車なしで対局する)ことになっており、名人の権威を傷つけたくなかった升田氏が、対局をボイコットしたという事件です。将棋以外にも刀や鎧兜、掛け軸といった価値ある古美術品を所蔵、展示している旅館です。

 

住所:神奈川県秦野市鶴巻北2-8-24
アクセス:小田急小田原線「鶴巻温泉駅」から徒歩約8分


このお宿の詳細はこちら 鶴巻温泉 元湯 陣屋



plastictレキタビ編集部

歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。

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