天山湯治郷のひがな湯治天山、箱根湯本で人気の日帰り湯を訪れ、夕方からの贅沢を楽しむ旅
週末になると多くの観光客で賑わう箱根。首都圏から日帰りで行けるのが箱根の魅力の1つである一方、人の多さや渋滞がストレスになる事もあります。そこで今回は敢えて、週末の夕方から味わう箱根の素晴らしさをご紹介。日帰り湯としても人気の天山湯治郷、ひがな湯治天山へ時間帯をずらして訪れてみたら、もう一段贅沢な癒やしのひと時を体感する事ができました。
国内屈指の人気温泉地「箱根」。ここは東京をはじめとした首都圏から日帰りでアクセスできる温泉地でもあるため、週末や連休になると多くの観光客で賑わいます。また、一言で箱根と言ってもその裾野は広く、一度は泊まってみたいと思うような高級旅館から、料理自慢のオーベルジュ、そして日帰りで身体を癒やす事ができる日帰り湯まで、多種多様な形態の施設が散在しています。
そんな箱根の中で今回ご紹介するのは、箱根の中でも比較的アクセスがよく、お値段もリーズナブルで、自然溢れる箱根らしい環境の中で、贅沢な癒やしのひと時が体感できる日帰り湯。箱根湯本エリアにある「天山湯治郷のひがな湯治天山」。週末のピークタイムを避け、観光客が家路へとつき始める日曜日の夕方に訪れてみると、もう一段のんびりとリラックスできる時間が流れていました。
週末になると多くの人々が日々の疲れを癒やしに訪れる箱根。特に新宿からロマンスカーに乗れば1時間30分ほどでアクセスできる箱根湯本駅周辺は、多くの人出で賑わうスポットでもあります。でも、この周辺を本当にゆっくりと満喫するのであれば、少し時間帯をずらして夕方に繰り出してみるのがおすすめ。日曜日の夕方6時頃に天山湯治郷、ひがな湯治天山へと行ってみると、人が多すぎず、日中よりももう一段贅沢なひと時を楽しむ事ができます。
約8,000坪もの敷地に、多数の源泉を持つ天山湯治郷のひがな湯治天山。1日37万リットルもの湯が湧くというこのスポットの、日曜日の夕暮れ前の光景です。湯に癒やされた家族連れやカップル、子供たちが自然体へと還り、心穏やかに過ごすひと時です。
ひがな湯治天山では、野天風呂を出るとすぐ目の前に、たくさんのベンチが用意されています。ここで男湯、女湯に分かれて入っていた家族連れが待ち合わせをしたり、湯上がりの一息をつく。周囲には余計な音がなく、箱根の山景色と心地よいそよ風の中に自分を置いてみる。ただただこの瞬間の幸せに浸り、乾き気味だった身体と心の癒やしを実感する。皆さんの顔がとても穏やかに見える場所です。
ひがな湯治天山の野天風呂を出たところには、こんなものが掲げられていました。明治26年作成と思われる「諸国温泉一覧」。箱根の湯の歴史は奈良時代にまで遡り、江戸時代には箱根七湯の全てが番付に入っていたとも言われます。
そしてもちろん、この湯の泉質は源泉かけ流し(源泉完全放流式)。加水なし、加温なしの源泉100%温泉で、古くから天山湯治郷の泉質は高い評価を受けてきました。
広く、落ち着きのある空間となっているひがな湯治天山の脱衣所。縁側の一部には畳も敷かれ、湯に浸かった後、ゆっくりと足を伸ばす事もできました。
そしてひがな湯治天山の野天風呂の魅力は、脱衣所とオープンエアの広い野天風呂がフラットにつながり、ウォークスルーのような形で湯に入る事ができる点。脱衣所に一歩足を踏み入れると、目の前に大きな野天風呂の景色が広がり、箱根の自然との一体感を感じる事ができます。
野天風呂の端には蒸し風呂(サウナ)の建物もあり、ここでゆっくりと時間をかけて、溜まった老廃物を放出する事もできます。岩風呂に入ったり、蒸し風呂に入ったり、そしてベンチに座ってから頭の中の慌ただしい日常を追い払い、ゆうに1時間以上は楽しめる湯でした。野天風呂の中にあった「身を任せて自然のままに、自ずから然り」と書かれた看板も印象的で、ひたすらゆっくりと、自然のままにこの湯を堪能しました。
湯を出た後は、山景色がさらに綺麗に見える2階の休憩所へ。リラックスチェアに座り、夕暮れの箱根の時間を流れるがままの状態で過ごします。そしてふと気がつけば、お腹が鳴ってくる頃合いに。よし、ついでだからここでご飯も食べて帰ろう。やはりそんな気分になってきます。
ひがな湯治天山では、2階の休憩所から渡り廊下を渡っていくと食事処もあります。ここで畳に座ってゆっくりとメニューを考え、美味しいものを食べて、明日からの英気を養いたいと思います。
ひがな湯治天山の食事処「山法師」へ。こちらは定食系のメニューも充実していて、箱根の割には比較的リーズナブルな値段で美味しい食事を楽しむ事ができます。
どのメニューにするか迷った挙句、最終的にオーダーしてみたのは「牛タン麦とろごはん(1600円)」。値段の割にしっかりとしたラインナップの定食で、想像外の嬉しい驚きでした。
おひつで運ばれてきたご飯も美味しそう。こうやっておひつで運んでくれるスタイルであればご飯も冷えないし、より一層美味しく感じる事ができますよね。このご飯に麦とろをかけて頬張ってみると、まさに今の気分にぴったり。正解でした!
メインの牛タンも熱々の鉄板で一枚ずつ焼き上げて。牛タンって久々に食べると本当に美味しく感じられます。敢えて日曜日の夕方から箱根の湯を堪能し、美味しいものを食べた後は自宅へと帰って寝るだけ。帰り道の西湘バイパスは既に渋滞もなく、スムーズに家路につく事ができました。夕方からの箱根は癒やし度が抜群に違って、本当に素敵なひと時になりました。
今回ご紹介した神奈川県足柄下郡箱根町の旅行スポット
名称:天山湯治郷・ひがな湯治天山
住所:神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋208
利用料金:大人1,300円/子供 650円
営業時間:9:00~23:00(受付終了は22:00)
定休日:なし
駐車場:目の前に無料の大型駐車場あり
アクセス:箱根湯本駅から湯本温泉旅館組合巡回バスで約10分
※掲載情報は2017年6月時点のものであり、変更されている可能性はあります。