北海道にやってきた冬の便り流氷、ほんのわずかな期間しか出会えない流氷に触れる旅
記事公開日:2016/03/14
例年1月下旬から3月上旬にかけて、北海道のオホーツク海側には冬の風物詩となっている「流氷」がやってきます。2016年の今年も流氷がやってきたものの、残念ながら見る事ができたのは一部の地域だけ。今回は今年も流氷が接岸した斜里(しゃり)の地で、流氷に触れてみる旅の魅力をご紹介していきます。
海と山のマチ、北海道の斜里へ
北海道東部の町、斜里町。ここは世界遺産としても知られる知床の街でもあります。斜里町の市街地は知床半島の付け根にあり、阿寒と知床の間にそびえる斜里岳の美しさに圧倒されます。秋鮭漁が盛んなことから鮭製品が多くあり、広い大地で育ったじゃがいもやにんじんなども特産品になっています。この街が生み出すじゃがいもは片栗粉(でんぷん)や、大手メーカーのポテトチップスの原料にもなっています。
※写真の手前は畑。そして奥がオホーツク海
畑なのか、それとも流氷か。一面が「白」に染まる
斜里町市街へ入ると遠くに見えてきたのは真っ白な場所。あまりにも白いため遠くからでも目立ちます。確かあの場所は海だったはず。けれどもこの景色からは海面が見えません。そう、斜里の海は今年もやってきた流氷でびっしりと埋まっていました。
流氷に触れてみたいなら「以久科原生花園」へ
せっかくなら流氷を間近で見てみたい。そしてできる事なら触れてみたい。もしそんな風に思ったら「以久科原生花園(いくしなげんせいかえん)」へ行くのがお薦めです。7月にはハマナスやエゾスカシユリなど、ピンクやオレンジの鮮やかな花畑のある場所です。ここには流氷が接岸していて(正確には沿岸定着氷)、触れることができるのです。接岸した氷には、最盛期であれば乗ってみることもできます。しかし、奥へと歩いて行くといつの間にか沖へ出てしまったり、急に流氷が動くことがあるため、くれぐれも海岸線だけで楽しんで下さいね。
海を真っ白に埋め尽くす流氷の断面は、こんなに厚い
ちょうど流氷の断面の見える場所がありました。水面より上の部分だけでも、高さは1mくらいあります。更に海の中にも氷がありますから、実際はものすごい大きさなのです。
※写真は流氷で埋まった海とその上に立つ人の姿
流氷で一面が埋まってしまった海と、人間の大きさを比較するとこのくらい。この日はこんなにもたくさんの流氷がありましたが、この3日後には海岸に乗り上げた氷だけを残して去ってしまったそうです。しばらくすれば、残った氷も海の波と暖かくなってきた日差しのせいで溶けていきます。流氷というのは、ほんのわずかな期間だけのお楽しみなのです。
道の駅「しゃり」で本物の流氷と、流氷の天使に出会う
斜里市街の道の駅「しゃり」には、流れてきた流氷が置かれていました。もし流氷に出会えなかったら、ここで触れてみるのもいいかもしれません。ちなみに建物の中には「流氷の天使」と呼ばれているクリオネも展示されていますよ。
※写真は流氷の天使と呼ばれるクリオネ
流氷を眺めながらスキー、スノーボードができる「ウナベツスキー場」
流氷という冬の風物詩を眺めながらスキーができてしまう贅沢な場所が「ウナベツスキー場」です。ここは例年なら1月上旬~3月中旬までオープンしていて、スキーのレンタルもあり、スキーセットのレンタルと4時間券を合わせて、なんと3,500円という値段なのです(2016年3月時点)!コースは3つあり、初級者から上級者まで楽しめます。もちろん、スノーボードも利用できますよ。
1年のほんのわずかな期間だけ訪れて、海一面を真っ白に変えてしまう「流氷」。冬一番の厳しさとともに訪れ、春の暖かさとともに消えていってしまう流氷は、オホーツク海の冬の風物詩として地元で親しまれ続けています。
今回ご紹介した北海道・斜里旅のスポット
名称:以久科原生花園(いくしなげんせいかえん)
住所:北海道斜里郡斜里町以久科北
アクセス:JR知床斜里駅から車で13分
名称:道の駅 しゃり
住所:北海道斜里郡斜里町本町37
アクセス:JR知床斜里駅から徒歩4分
名称:斜里町ウナベツスキー場
住所:北海道斜里郡斜里町字峰浜
アクセス:JR知床斜里駅から車で25分
Reiko
フォトライター。北海道の東から、心を動かされる風景など、旅したくなる北海道の情報を発信していきます。
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