御髪神社、献髪が行われる頭髪のパワースポットは髪結職と髪の毛に悩む人々の聖地
「発毛祈願の聖地」「ハゲのパワースポット」など、ある意味衝撃的な言葉の数々で語られる嵯峨の「御髪神社」。今回は日本で唯一、頭と髪にご利益があり、そのご利益を求めて訪れる人が絶えないというこのスポットの見所や魅力、歴史をご紹介していきます。
「御髪神」と記された鳥居のこの神社は、日本で唯一の頭と髪の神社
京都の定番観光地である嵐山から徒歩で約15分。嵯峨の竹林を抜けた先に現れる「小倉池」という池の奥に見える1つの鳥居。そこには「御髪神」という、珍しい言葉が記されてあります。ここは日本で唯一という頭と髪の神社として知られ、「発毛祈願の聖地」「ハゲのパワースポット」、さらには「頭に良いということで学業の神様、合格祈願の神様」などと言われる事もある、京都のユニークな神社です。
美しい嵯峨野の竹林。嵐山から天龍寺、野宮神社、そして大河内山荘などの観光名所を抜ければ、竹林の景色が開けて、目の前に池が現れます。
そして池の前に建てられている看板の内容を読むと、「パワースポット」という文字が。「髪をお護りする神社です。いつまでも大切な髪が、美しく健康であるように、ご祈願しましょう。」と書かれてあります。
鳥居の方へと近づいていくと、なかなかの繁盛ぶり。社殿で祈願する中年男性の方から、京都観光の旅を楽しむ若い女子のグループまで。小さな神社にも関わらず、次々と参拝客が訪れ、目の前の社務所で御守や御朱印などに目を配っています。
もうこれ以上、ハゲるわけにはいかない！熱い祈願の文字が並ぶ
御髪神社の鳥居をくぐり、境内の右手へと進んでみると、多数の絵馬が掛けられています。この中でも一番目立っていたのが、「もうこれ以上、はげたくない」という熱く、そして切実な祈願の文字。まさしくここは発毛祈願の聖地、パワースポットとなっています。
その他にも多くの絵馬が並んでいます。「一生フサフサでありますように。」と書かれた文字を見ていると、まだまだかなりの余裕がある方のようにも見えてきます。既に進行してしまっている方から、将来に備えて、余裕を持って対策する方まで、様々な願いが集まっていました。
献髪が行われる「髪塚」。そして髪の毛を供養し、髪の毛に感謝する「髪供養」
境内には「髪塚」という塚も建てられています。こちらで祈願する方は、自らの髪の毛を少しだけ切って献納袋へと入れ、この髪塚の中に献納するのだそうです。また、毎年の御大祭日になると「髪供養」という行事も行われているそうで、この日には一般の参拝の方に加え、理美容業の業界の方々、そして育毛剤の研究を行うメーカーの方々、植毛やかつらの販売を行う会社の方々なども訪れる事があるのだそうです。
ご祭神は日本における髪結職、そして床屋というネーミングの祖
御髪神社のご祭神は藤原采女亮政之（ふじわらうねめのすけまさゆき）。大化の改新で知られる藤原鎌足の子孫に当たる人物で、日本における髪結職の祖だと言われています。ちなみに山口県の下関に「床屋発祥の地」という石碑が建っているそうですが、これは藤原采女亮政之がここで髪結所を開いた事に由来すると言います。そしてこの時の髪結所の建物の奥に立派な床の間があった事から、床の間のある店＝床屋という呼び方が広がっていったという話もあるそうです。
実はこちらの御髪神社、その創建自体は新しく、昭和36年に京都の理美容業の関係者たちによって創建されたと言います。そのような経緯から理美容業関係者にとっての聖地にもなっています。
最後に髪の毛に感謝しましょうと薦める、神社の言葉をご紹介
発毛祈願の聖地、ハゲのパワースポットという言葉が先行しがちではありますが、御髪神社は髪の毛に関する仕事をする方々の聖地であり、髪の毛に対する感謝の心をも教えてくれます。「髪は人間の最も高いところに位置する、御神より賜った美しい自然の冠。」この一文がとても新鮮に感じられる、日本で唯一の頭髪の神社を巡る旅でした。
今回ご紹介した京都旅のスポット
名称：御髪神社（みかみじんじゃ）
住所：京都府京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町10-2
拝観時間：10:00～15:00
拝観料金：無料
献髪料金：300円（献納袋に髪の毛を入れ、氏名と生年月日を記入して献納）
アクセス：嵐電「嵐山駅」から徒歩約15分
駐車場：専用駐車場なし
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