奥州藤原氏を描いた大河ドラマ「炎立つ」ゆかりの歴史スポット5選
1993年に放送され、最高視聴率で21.6%を記録したというNHK大河ドラマ「炎立つ」。奥州藤原氏の栄枯盛衰を描いたストーリーと、若かりし頃の渡辺謙さんの演技が光る時代劇で、2014年には舞台化も果たしました。そこで今回は「炎立つ」ゆかりの歴史スポットをご紹介していきます。
【1】中尊寺金色堂
中尊寺金色堂は1124年に奥州藤原氏の初代・藤原清衡が建造した仏堂です。当時の事を伝える吾妻鏡収録の「寺塔已下注文」には、「金色堂、上下四壁は皆金色なり」という記述が残されていて、建造当初から金色堂と呼ばれていたと考えられています。
中尊寺金色堂は京都の平等院鳳凰堂と並んで、平安時代の浄土教建築の代表的な建造物とされ、国宝にも認定されています。そして今では奥州藤原氏の栄華の様を今に伝える、最も有名な歴史スポットとなっています。
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
拝観時間:8:30~17:00(11月4日から2月末は16:30まで)
アクセス:JR「平泉駅」から中尊寺月見坂入口までは徒歩約25分
【2】えさし藤原の郷
岩手県奥州市にある歴史公園「えさし藤原の郷」は、700年から1500年頃の東北の歴史と、当時の文化を体験する事ができる歴史テーマパークです。
園内には古風な平安建築の街並みが忠実に再現され、政庁や義経屋敷などもあります。そして園内のレストランでは平安時代の食事を再現した「平安食」も食べる事ができます。えさし藤原の郷はドラマのロケ地としてもよく使われていて、炎立つのメインロケ地でもありました。往年の大河ファンなら一度は足を運びたいスポットです。
住所:岩手県奥州市江刺区岩谷堂小名丸86-1
営業時間:9:00~17:00(11月から2月末までは16:00閉園)
アクセス:JR「水沢駅」から車で約25分
【3】毛越寺
毛越寺(金堂円隆寺跡)は850年、円仁によって建立されたという天台宗の寺院です。一度は火事で焼失してしまいますが、藤原氏二代の藤原基衡夫妻と三代の藤原秀衡が中心となって荘厳な伽藍を再興しました。当時の毛越寺には金銀・紫檀が散りばめられ、そのあまりの美しさから吾妻鏡の中では「吾朝無双」と評されたと言います。
2011年には世界遺産にも登録され、寺の境内は国の特別史跡に、庭園は特別名勝に指定されています。中でも浄土式の庭園は平安時代末期の遺構としても有名です。「炎立つ」の名シーンを思い浮かべながら、この平安時代末期の面影が残る庭園を歩くのも楽しみ方の1つです。
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58
拝観時間:8:30~17:00(11月4日から4月4日は16:30まで)
アクセス:JR「平泉駅」から徒歩約10分
【4】高舘義経堂
「衣川館」または「判官館」とも呼ばれている源義経最期の地です。そしてここは、岩手県西磐井郡平泉町にあったのではないかと推測されている、奥州藤原氏の居館跡でもあります。
1189年、義経は「衣川の戦い」で藤原泰衡の襲撃を受け、妻子と共にこの地で自害したと言われます。源義経の過去の華々しい功績に対して、その最期というのはあまりにはかなく、悲しいものでした。現在、義経堂には甲冑をまとった義経の人形が安置されています。また高舘からの眺めも素晴らしく、眼下に広がる北上川や、のどかな田園風景も一望する事ができます。
住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字柳御所14
拝観時間:8:30~16:30(11月5日から4月4日は16:00まで)
アクセス:JR「平泉駅」から徒歩約16分
【5】安倍館遺跡(厨川城跡)
安倍館遺跡は、当時盛岡の北西部を統治していた安倍氏の居城跡と言われています。朝廷から送られてきた討伐軍と壮絶な戦いを繰り広げた安倍氏はついに敗れ、後に「前九年の役」と呼ばれる戦いはここに終結しました。
その後、岩手郡の地頭に着任した工藤氏が堅牢かつ大きな城を造ろうと思い立ち、新たに厨川城(安倍館遺跡)を建城。その後は岩手の重要な拠点として、長年に渡ってその存在を保った厨川城ですが、1592年、豊臣秀吉の一国一城令を受けて取り壊されてしまいました。
住所:岩手県盛岡市安倍館町
アクセス:IGRいわて銀河鉄道「青山駅」から徒歩約15分
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