長野で泊まりたい!風情ある老舗旅館・文化財のある旅館
歴史旅に欠かせないのが贅沢なひと時が味わえる名旅館と美味しい料理。ここでは長野の歴史旅で一度は泊まってみたい、風情ある老舗旅館や文化財のある旅館をまとめてご紹介。今後も旅館のリストは随時追加していきますよ。
松本丸の内ホテル
この旅館を教えてくれた人の声
松本丸の内ホテルは、松本市を代表する登録有形文化財に登録された建物がリノベーション・増築されたホテルです。登録有形文化財になっているのは、国宝松本城に繋がる大名町通りに面していた旧第一勧業銀行ビル。1937年に日本勧業銀行松本支店として建てられたこのビルは、2003年まで銀行として使われていたそうです。旧富士銀行・日本興業銀行との合併後、取り壊しの案も出たそうですが、松本市民の働きかけで保存され、2007年に国の登録有形文化財に指定されています。
長野県を代表する近代建築の一つでもあるこの建物は、独特なアーチのついた窓が印象的で、石目調のモダンな外観と、吹き抜けの高い天井が印象的です。また、もともと銀行だった作りを活かし、建物内のトイレは金庫だったスペースをリノベーションしているそうです。複雑な鍵の構造や厚い扉を見る事ができるようになっているので、実際に見てみるのも面白いかと思います。
住所:長野県松本市大手3-5-15
アクセス:JR線「松本駅」から徒歩約12分
渋温泉・歴史の宿金具屋
この旅館を教えてくれた人の声
金具屋当主の跡継ぎが生まれた際にのみ使うことになっているという産湯のタライ、「嫡男桶」が伝わるという歴史のある宿です。その桶は真田の殿様より頂いたものと伝わるそうです。また、当主は代々平四郎を襲名するというしきたりもあるのだとか。旅館は国の登録有形文化財にも登録されています。建物自体は昭和初期の建築ですが、社寺・数寄屋・伽藍建築・遊郭などの和風建築の様々な要素が織り込まれていて、部屋を一つの家屋と見立て、廊下は道路、階段を上がって富士山と月をモチーフにした窓があるなど、とても特徴的な作りです。近年はスタジオジプリの「千と千尋の神隠し」の舞台になった旅館としても知られています。
住所:長野県下高井郡山ノ内町平穏2202
アクセス:長野電鉄長野線「湯田中駅」から長電バスで約10分
湯田中温泉よろづや
この旅館を教えてくれた人の声
200年以上の歴史を持つ老舗旅館「よろづや」は、平成15年に国の有形登録文化財に指定されました。現在の建物は昭和初期の建築で、第二次大戦では疎開してきた人々、長野オリンピックの時には海外のVIPを迎え入れたそうです。その時々で、趣きはそのままに改修も施されていて、実はWifiも完備しているなど、現代のニーズに応えるためのご苦労もあったようです。こちらでは「宿六のお宝拝見ツアー」(要申込)というものもあり、屏風絵や書、古時計や太鼓など貴重な収蔵品を紹介もしてくれます。
住所:長野県下高井郡山ノ内町大字平穏3137
アクセス:長野電鉄長野線「湯田中駅」から徒歩約8分
別所温泉・花屋
この旅館を教えてくれた人の声
登録有形文化財の指定を受けた宿です。大正ロマンを彷彿とさせる門構えから始まり、廊下が中庭に接しているため、まるで離れにでも泊まっていうような優雅さが味わえます。夏に泊まったのですが、水車もあって、そこにはラムネが冷やしてあり、その前でゆっくりと時を過ごしました。ここは大正6年築の建物なので、部屋は少しばかりの古さはあります。お風呂にはステンドクラスが施されていて、純和風の中にもノスタルジック感があります。露天風呂もありますが大人6人が入るとちょっと狭いかもというくらいの広さでした。
住所:長野県上田市別所温泉169
アクセス:上田電鉄別所線「別所温泉駅」から徒歩約6分
佐久・井出野屋旅館
この旅館を教えてくれた人の声
大正時代に建てられた3階建ての旅館です。ガラス戸の玄関や、木でできた階段や廊下などに、とても風情がある旅館です。1976年公開の映画「犬神家の一族」の撮影にも使われたとのことで、玄関の下駄箱や部屋などは、撮影当時とほぼ変わっていないそうです。また、食事はこの辺りでは有名な「馬刺し」や「鯉の煮付け」が頂けます。コースによっては手打ちの蕎麦もつきますよ。この辺りは中山道の宿場町だったので、この宿に以外にも古い建物があって散策を楽しめます。
住所:長野県佐久市望月254
アクセス:JR線「佐久平駅」からJRバス、または千曲バスで約20分
軽井沢つるや旅館
この旅館を教えてくれた人の声
軽井沢つるや旅館は、江戸時代の初期に中山道の休憩、宿泊場所として利用されていた施設です。和の形を残しつつも、明治時代に軽井沢へやってきた宣教師たちの手で洋風に改装され、数多の文豪に愛される宿泊施設になりました。有名な芥川龍之介などもここに宿泊して執筆活動を行ったと言われていて、この旅館の中庭は「美しい村」という小説にも登場しています。創業してから400年経つという老舗旅館ですが、昭和初期に使用された家具なども飾られ、ゆったりと静かな時間を過ごすことができます。
住所:長野県北佐久郡軽井沢軽井沢町678
アクセス:JR線「軽井沢駅」からタクシーで約5分
戸倉上山田温泉・笹谷ホテル
この旅館を教えてくれた人の声
フランク・ロイド・ ライトに師事し、帝国ホテルの設計や自由学園、甲子園ホテル等の建築にも関わった遠藤新氏が設計したホテルで、平成15年に登録文化財に指定されています。現在の天皇陛下なども訪れている歴史あるホテルで、かつて志賀直哉もこのホテルに逗留して短編小説「豊年虫」を執筆したそうです。落ち着いた佇まいに品格を感じさせる和の高級宿、その上温泉もあって、一度は泊まってみたいと思える憧れの宿の1つですね。
住所:長野県千曲市大字戸倉温泉3055
アクセス:しなの鉄道線「戸倉駅」からタクシーで約5分
小谷温泉大湯元・山田旅館
この旅館を教えてくれた人の声
北安曇郡小谷村にある「大湯元山田旅館」には、1555年に武田信玄の家臣であった岡田甚一郎の夢枕に観音様が現れ、そのお告げで源泉を発見したという言い伝えがあります。その元湯は100年以上変わらぬ浴槽のまま使用されている湯治場で、2mの滝となって湯が落とされている大正ロマンを感じる造りです。江戸時代に建築された本館をはじめ、木造建築6棟が文化庁の登録有形文化財に指定されています。
住所:長野県北安曇郡小谷村中土18836
アクセス:JR大糸線「南小谷駅」から村営の路線バスで約35分
レキタビ編集部
歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。