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山陰随一の松江城、返り咲いた国宝の現存天守に登り、堀川めぐりで文化の街に浸る旅

記事公開日:2017/04/14

日本各地の城の中でも「現存12天守」の1つとして知られ、2015年に再び国宝へと返り咲いた「松江城」。この城は豪壮な実戦本意の造りとされていて、黒塗り下見板張りの古風な天守の姿もコアな城好きには人気のポイントとなっています。今回は「山陰随一の名城」とも言われる松江城に登城し、堀川めぐりで文化の街の魅力に浸るへとご案内します。

松江城の国宝天守

※写真は松江城の国宝天守。附櫓を設けた複合式望楼天守で、2層の櫓の上に2層の望楼を載せた姿が特徴的。1、2層の外壁は黒塗りの下見板張りで、桃山時代初期の特徴を残した造りとなっています。また、城の内部には攻撃用の石落としや鉄砲狭間などが隠されるように設けられています。

 

国宝天守5城の1つが松江城、城下や宍道湖などの見所も多彩

 

島根県松江市にある「松江城」は、堀尾吉晴によって慶長16年(1611年)に築城され、山陰随一の名城として城好きのファンの人気を集めています。この城は松江から出雲にまたがる宍道湖(しんじこ)畔、標高29mの亀田山に築かれた平山城で、宍道湖に繋がる堀川が城の周りを囲んでいます。城の縄張りとしては、本丸を二の丸上の段、下の段、後曲輪、北の丸といった4つの郭が囲み、堀を経て南側に三の丸が配されています。

 

また、松江城の天守は入母屋破風の屋根が左右に羽を広げたように見えることから、「千鳥城」とも呼ばれ、現存12天守の1つとして、平成27年(2015年)に国宝へと指定されました。天守の最上階である望楼からは松江城下や宍道湖を一望する事ができ、城址は城山公園とされていて、竹林、桜、椿、梅など、四季折々の自然が楽しめるようになっています。

 

松江城の堀と南櫓

※写真は松江城の堀と南櫓。かつて二の丸には5棟の櫓があり、そのうちの太鼓櫓と中櫓、南櫓の3基が平成13年(2001年)に復元されています。

 

松江城にまつわる、度重なる藩主家交代のストーリー

 

かつて遠江、浜松の地にあった堀尾吉晴は、関ケ原の合戦の功績によって出雲、隠岐24万石の大名となり、月山富田城に入城します。そして吉晴は宍道湖畔の亀田山に新城の築城を計画し、慶長12年(1607年)に着工、5年にわたる難工事の末にこの壮大な城を完成させました。

 

しかし、江戸時代の寛永11年(1634年)、藩主であった堀尾氏には後継ぎがおらず、わずか3代で改易となってしまいます。翌年には堀尾氏に替わって若狭から京極忠高が松江に入ったものの、なんとこの京極氏にも後継ぎができず、松江の地を失う事になります。その後は信州、松本から徳川家康の孫、松平直政が18万6千石で松江に入り、これ以降は松平氏10代の居城となり、明治維新を迎えました。

 

松江が文化の街と言われる由縁にもなった、不昧(ふまい)公の治世

 

ちなみにこの松平氏の7代藩主、松平治郷(はるさと)は政治の手腕だけでなく、「不昧(ふまい)」と号する文化人としても知られています。大名茶人として茶道に通じ、自ら不昧流を立て、発展した茶の文化を松江に根付かせました。松江には「菅田菴(国重要文化財)」や「明々庵」などの独創的な茶室が残り、城下には名品とされる和菓子などが「不昧公御好み」として今も伝えられ、松江が文化の街と言われる由縁にもなっています。

 

松江城の天守

※写真は松江城の天守。明治8年に松江城の建造物と三の丸御殿は民間に払い下げられ、取り壊しが始まりました。しかし、豪農、勝部本右衛門や旧藩士、高城権八など、有志の奔走によって城は買い戻され、取り壊しは中止となって山陰唯一の現存天守として保存される事になりました。

 

2012年に2枚の祈祷札を発見した事を契機に、改めて国宝へと返り咲き

 

また、松江城は現存天守でありながら、戦後の文化財保護法の影響で、国宝から重要文化財へと格下げされた経験を持っています。しかし、平成24年(2012年)に地下の柱についていた2枚の祈祷札が発見された事がきっかけで、城の築城時期を確認する事ができ、改めて希少な天守であるとして65年ぶりに国宝へと返り咲きました。

 

情緒溢れる堀川めぐりの風景

※写真は情緒溢れる堀川めぐりの風景

 

風情溢れる屋形船に乗り、水の都・松江城下を遊覧するのがおすすめ

 

松江は川や堀が街中を巡る「水の都」。文化の街の風情を堪能するなら、堀川を屋形船で巡る「堀川めぐり」がおすすめです。情緒溢れる松江城下を約50分かけてゆっくりと遊覧し、船頭さんのトークを聞きながら眺める松江の街並みはどこか懐かしく、水辺を彩る草花や水鳥も四季を感じさせてくれます。

 

また、城下の見所は堀川に沿って点在し、武家屋敷構えの「松江歴史館」では松江の歴史と文化がわかりやすく紹介されています。さらに天守を借景にした日本庭園、伝利休茶室、家老屋敷なども名所の1つ。「塩見繩手」は堀川に沿って武家屋敷が並ぶ通りになっていて、ゆっくりと城下の風情を楽しむ事ができます。

 

小泉八雲旧居

※写真は小泉八雲旧居

 

そして松江と言えば、「小泉八雲(ラフディオ・ハーン)」の存在も有名です。松江で暮らしたイギリス、日本国籍の作家、小泉八雲は「耳なし芳一」など、日本の怪談をまとめています。塩見繩手の先には「小泉八雲旧居」や「小泉八雲記念館」も残されています。そして最後に、松江を代表する景観と言えば「宍道湖」。宍道湖の湖水を赤く染めながら沈む夕陽の姿は訪れる人の心を惹きつけ、思い出深いシーンになるはずです。

 

今回ご紹介した島根県松江市の旅行スポット

 

名称:松江城
住所:島根県松江市殿町1-5
アクセス:JR山陰本線「松江駅」からバスで約10分。「大手前」すぐ
本丸開門時間:4月~9月 7:00~19:30、10月~3月 8:30~17:00
天守登閣時間:4月~9月 8:30~18:00、10月~3月 8:30~16:30)
天守登閣料:大人560円、小・中学生、外国の方280円
参考リンク:松江城公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

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