修善寺温泉・柳生の庄【泊まったみんなのお薦め宿】
みんなが宿泊体験した、全国各地の素敵な旅館やホテルをご紹介するプチ読み物。第5回は静岡県伊豆市、修善寺温泉の宿「柳生の庄」の宿泊体験記をご紹介。慌ただしい日常をちょっとだけ休んで、贅沢なひと時を感じる旅に出かけませんか?
母が亡くなった父と行ってみたいと言っていた宿へ
修善寺温泉の「柳生の庄」は、母が、病気で亡くなった父と一度は行ってみたいと言っていた宿でした。以前は夫婦二人で退職後の旅行先について調べていたようで、修善寺温泉の柳生の庄は憧れの宿だったようです。本が好きだった父親は、様々な文豪が街の喧騒を離れ、執筆に勤しんだという修善寺温泉に対して思い入れがあったのだと思います。結果的に父親と一緒に行くという夢は叶わなかったものの、今回、娘の姉と私で一緒に、母を連れて行ってあげました。
華美ではなく、侘びの風情が似合う宿
この宿は竹藪に囲まれた中にひっそりと佇んでいて、旅館というよりはまさに隠れ家という雰囲気でした。うっかりすると、個人のお屋敷と勘違いして見過ごしてしまいそうなくらいの佇まいです。しかし、宿の玄関には素晴らしい壁画が飾られ、季節の花も美しく飾られています。決して華美という感じでもなく、侘びの風情が似合う雰囲気の宿だと思います。
贅沢なお風呂が何よりの感動体験でした
今回私たちは露天風呂付きの離れに泊まってみました。最初に部屋へと案内された時に驚いたのは、かなりの大きさの露天風呂が庭に据えてあったことです。3、4人は余裕で入れてしまいそうな大きさで、もちろんながら常にお湯が張られています。また、庭も大きな庭園のように感じられ、人里離れた一軒家に泊まっているような気分が味わえます。客室に居ながらにして、こういった贅沢なお風呂に入れたのは何よりの感動体験でした。
ごまかしがなく、素材の良さがシンプルに楽しめた料理の数々
お料理についても部屋でゆっくりと頂く事ができたのですが、その内容がまた素晴らしかったです。調味料や調理法でのごまかしが一切なく、厳選された素材を丁寧に下拵えし、素材の良さを損なわず出された料理の数々は、シンプルながらもとても美味しかったです。食事の最後に出てきた和菓子の籠盛りもまた素敵でした。
控えめな中に、おもてなしを感じ取った宿
ちなみに宿にあるお風呂は竹藪の長い回廊を通って行くのですが、他の宿泊客の方と顔を合わせることはほとんどなかったです。予約時はほぼ満室と聞いていただけに不思議にも感じました。柳生の庄は女将さんをはじめ、仲居さんたちも番頭さんも感じがよく、全てにおいて控えめではありながらも、本当のおもてなしとはこのようなことを指すのだなと感じ入ったひと時でした。
ニホンタビ編集部
日本には奥深い魅力を持った素晴らしいスポットがたくさん!ニホンタビがもっと楽しくなる、そんな大人のための旅行情報を発信していきます。