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伊豆で泊まりたい!風情ある老舗旅館・文化財のある旅館

記事公開日:2015/09/28

歴史旅に欠かせないのが贅沢なひと時が味わえる名旅館。ここでは山の出湯から海の幸、マリンレジャーまで揃う、伊豆の旅で一度は泊まってみたい、風情ある老舗旅館や文化財のある旅館をまとめてご紹介。今後も旅館のリストは随時追加していきますよ。

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【1】湯ヶ島温泉・落合楼 村上

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

伊豆半島の中部、天城湯ヶ島温泉郷にある創業100年超えの老舗旅館です。創業は明治7年、当時は「眠雲楼」と呼んでいたそうですが、旅館が狩野川の起点である本谷川と猫越川の「落ち合う」場所にあったことから、「幕末の三舟」に名を連ねる旧幕臣の山岡鉄舟の提案で「落合楼」に改名、「落合楼村上」と呼ばれるようになったそうです(「村上」はこの旅館を継いだ夫妻の名字だそうです)。こちらの木造建築の9割は、伝統を受け継いだ宮大工の彫刻等の国登録有形文化財で、建物が文化財に登録されている旅館はとても珍しいそうです。川端康成、北原白秋等などの文人が訪れた宿でもあります。井上靖の自伝的小説を映画にした「わが母の記」のロケ地にもなっているなど、文化薫る名旅館だと思います。

 

住所:静岡県伊豆市湯ケ島1887-1
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からタクシーで約20分


このお宿の詳細はこちら 落合楼 村上

 

【2】熱海温泉・大観荘

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

昭和23年に旅館が出来た際、中山製鋼所の創業者であり、この旅館を作った中山悦治氏と、日本画の巨匠・横山大観の交流がきっかけとなって名付けられた宿名だそうです。横山大観自身も、この宿の眺めの雄大さは大観の名に相応しいと言って大変喜び、しばしば宿泊していたそうです。今でも横山大観が気に入っていた部屋が「大観の間」として残り、宿泊も出来ます。ここの庭園などを見ていると、大観の絵を観ているような壮大な気持ちになれます。昔の佇まいを残しながら、現代に合った便利さも備えた旅館なので、例え一泊だけでもかなりリフレッシュが出来る名旅館です。

 

住所:静岡県熱海市林ガ丘町7-1
アクセス:JR「熱海駅」にて下車、タクシーで約3分


このお宿の詳細はこちら 熱海温泉・大観荘

 

【3】伊豆修善寺温泉・新井旅館

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

伊豆の修善寺にある老舗旅館で、国の文化財にも登録されています。建物は趣のある、手入れがなされた佇まいで、明治時代に建てられているせいか、どっしりとした重厚感があります。この宿を利用した文人には芥川龍之介や泉鏡花、尾崎紅葉などが名を連ね、この旅館で数多くの作品が生み出されたことが分かります。芥川龍之介はこの旅館に長期滞在し、「温泉だより」を執筆したことでも知られています。また、泉鏡花の作品では新井旅館がモデルとなっているものもあるそうです。登録文化財になった部屋にも泊まることができ、旅館裏手の桂川のせせらぎを聞いていると日常生活から切り離されます。

住所:静岡県伊豆市修善寺970
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からタクシーで約7分


このお宿の詳細はこちら 新井旅館

 

【4】御宿さか屋

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

創業400年という江戸時代から続く老舗旅館です。こちらのさか屋の当主は現在で24代目だそうで、これだけでも随分と歴史を感じます。伊豆で最も古い由緒ある温泉ですが、子授けに良いという話もあります。かつて名湯の噂を聞きつけた徳川家康の側室お万の方は、まだ造り酒屋であった「さか屋」をお寄り処とし、ここで後の紀伊家と水戸家の初代を授かったことから、「子宝の湯」として有名になっています。近年は岡本太郎や黒澤明監督の定宿としても有名で、館内には岡本太郎のリトグラフや絵画、岡本太郎設計の「太郎さん風呂」などの作品があり、情感ある宿にアクセントが加わっています。

住所:静岡県伊豆市吉奈101
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からタクシーで約15分


このお宿の詳細はこちら 御宿さか屋

 

【5】川端の宿・湯本館

 

 

この旅館を教えてくれた人の声

「伊豆の踊子」は、川端康成が湯本館で書いた、「湯ヶ島の思い出」という107枚の草稿から、踊り子との思い出の部分だけを大正15年に書き直したものだそうです。川端康成は頻繁に湯ヶ島を訪れていて、大正13年に大学を出てからの3、4年は湯本館での滞在が、半年あるいは1年以上に長びくほどのお気に入りだったとも聞きます。また、「文藝時代」の頃には東京に定まった家も宿もなく、湯本館で暮らす方が多かったと言います。この旅館の目の前には狩野川が流れていて、露天風呂からは緑美しい景色や狩野川の流れを楽しむ事もできます。夏には蛍が舞う幻想的な景色も楽しめます。

 

住所:静岡県伊豆市湯ケ島1656-1
アクセス:伊豆箱根鉄道「修善寺駅」からバスで約30分


このお宿の詳細はこちら 湯本館

 

【6】湯ヶ野温泉・福田家

 

湯ヶ野温泉・福田家

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

川端康成の「伊豆の踊子」の中にも登場しているという宿です。とても風情があり、歴史を感じさせる部屋や建物が、過去にタイムスリップしたような感覚でとても趣があります。周囲には河津川に沿って遊歩道もあり、秘境感がある癒しの場所です。踊子になったつもりで歩いてみるのも楽しいと思います。帳場の隣には伊豆の踊り子の小さな資料室があり、歴代の映画資料や出演者たちの写真なども飾られています。宿泊しない場合でも温泉には入れるので、ドライブの途中に立ち寄るのも良いかもしれません。

 

住所:静岡県賀茂郡河津町湯ケ野236
アクセス:伊豆急線「河津駅」下車、バスで約15分、湯ヶ野バス停から徒歩3分


このお宿の詳細はこちら 福田家

 

【7】大滝温泉・天城荘

 

大滝温泉・天城荘

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

「天城越え」で有名な天城に古くからある老舗旅館です。緑深くにひっそりと佇む昔ながらの和風旅館で、客室からは川の流れを見てとることも出来ます。名物になっている温泉は大きな滝のすぐそばにあり、旅館から続く階段を下っていくと、6つ以上の温泉が滝壺から流れる川に沿って造られています。この温泉は昔ながらの混浴ですが、最近は水着を着用することも出来るようになりました。料理も伊豆で採れた新鮮な魚介類や、旅館で漬けている自家製の梅酒、季節によっては近くの山で仕留めた猪、牡丹が振る舞われました。非常に静かな場所で、雄大な自然に包まれながら温泉に浸かったり、食事を楽しんだり、女将たちのおもてなしにも大満足の旅館です。

 

住所:静岡県賀茂郡 河津町梨本359
アクセス:伊豆急線「河津駅」から車で約15分(駅から無料送迎もあり)


このお宿の詳細はこちら 天城荘

 

【8】三津浜・湯の花温泉安田屋旅館

 

湯の花温泉安田屋旅館

 

この旅館を教えてくれた人の声

 

創業明治22年の安田屋旅館は、登録有形文化財に指定されている西伊豆の歴史ある旅館です。かつて文豪・太宰治が宿泊し、「斜陽」を出筆したという部屋が残る宿としても知られています。畳が敷かれている珍しい渡り廊下は、安田屋旅館の創業期に訪れた政治家、尾崎行雄が「対岳楼」と名付けたそうです。木造2階建の建物は松棟が大正7年、月棟が昭和6年の建築で、平成12年に国の登録有形文化財に指定されています。

住所:静岡県沼津市内浦三津19
アクセス:伊豆箱根鉄道「伊豆長岡駅」からバスで約15分


このお宿の詳細はこちら 安田屋旅館



plastictレキタビ編集部

歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。

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