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京都・本満寺、七難八苦と戦った山中鹿介の墓を巡る歴史旅

記事公開日:2015/08/27

京都市上京区にある本満寺。観光客の方もあまり訪れないこの寺には、ある有名な戦国武将の墓所がありました。今回は「山陰の麒麟児」という異名でも知られた武将、山中鹿介(幸盛)の墓所を巡る旅をご紹介したいと思います。

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山陰の麒麟児という異名を持つ武将の墓所がある本満寺

 

京都市上京区、寺町通り沿いにある「本満寺」。1410年に創建したとされる日蓮宗の寺で、日蓮宗の京都16本山の1つにも数えられている寺だそうです。周辺は閑静な住宅街になっていて、この辺りを訪れる観光客の方はあまり多くありません。寺の大きさについても、決して大寺院とは言えないほどではあるのですが、こちらの寺には戦国武将ファンの方にはよく知られた人物の墓所があります。戦国時代、山陰地方の大名であった尼子家に仕えた忠臣で、「山陰の麒麟児」という異名でも知られた武将、「山中鹿介(幸盛)」の墓所です。

 

なぜ「山中鹿介(幸盛)」の墓所が京都にあるの?と思われた方もいるかもしれませんが、他にも岡山県高梁市や鳥取県鳥取市などに「山中鹿介(幸盛)」の墓所があるそうです。この京都の本満寺の「山中鹿介(幸盛)」の墓所については、はっきりとした事がわからないものの、一説では鴻池財閥で知られる鴻池家の人の手によって建てられたという話もあるようです。

 

本満寺の本堂

 

山中鹿介と鴻池財閥にはどんなつながりが?

 

なぜ鴻池財閥で知られる鴻池家が山中鹿介の墓を建てるのか?そんな疑問も湧いてくると思いますが、この説には続きがあるようです。鴻池財閥の始祖と言われる人物、鴻池直文は山中鹿介の子供であり、その子孫である鴻池家の誰かが、本満寺に墓所を建てたという話です。この説がどこまで本当なのかはわかりませんが、Wikipediaなどでも鴻池直文は山中鹿介の長男という形で記載がなされています。

 

本満寺の七面堂

 

夏のお盆時期に訪れた本満寺。この日は寺の檀家と思われる方々も多く、七面大明神を祀るという七面堂に手を合わせている方もいました。この七面堂の右に本堂があり、その奥の敷地が本満寺の墓所になっていました。

 

帽子をかぶったお地蔵様たち

 

本満寺の本堂を訪れた後、敷地内にある墓所の入り口へ。入り口には帽子をかぶったお地蔵様が並んで立っているのが印象的でした。厳しい暑さの夏、お地蔵様のことを心配したどなたかが、お地蔵様たちに帽子をかぶせてあげたのかもしれません。

 

山中鹿介公の墓所

 

我に七難八苦を与えたまえ!と祈った山中鹿介公の墓所

 

そしてこちらが本満寺の敷地内にあった山中鹿介公の墓所。先に訪れた近所の阿弥陀寺の織田信長公の墓所と同じく、一般の方々のお墓に混じって、ひっそりと建っていました。

 

尼子家の忠臣であり、領地を失った尼子家の再興のために尽力した武将。再興をかけて幾度と無く毛利家と戦い、最後は毛利家に捕らえられて謀殺されてしまったと言われています。そして山中鹿介と言えば、自らの宿願を果たすためにはいかなる苦難をも乗り越えていく、「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈ったという逸話があまりにも有名です。山中鹿介ってマゾなの?Mなの?(笑)という声も聞こえてきそうですが、現代でも語り継がれているというのはすごい事ですよね。

 

ちなみに山中鹿介にまつわるこんな話も

 

山中鹿介にまつわる面白い話を安来市観光協会さんのホームページで見つけました。近年放送されたNHK連続テレビ小説「マッサン」の主役にもなったニッカウヰスキーの創設者・竹鶴政孝。あの美味しいウィスキー「竹鶴」でお馴染みのニッカウヰスキーの紋章をよく見てみると、紋章の中に武将の兜が描かれており、その兜は山中鹿介の兜がデザインされたものだそうなのです。(参考:安来市観光協会さんの解説ページはこちら

 

熱心にお経を唱える、ご住職と思われる方

 

最後はこちらの写真をご紹介。お盆のこの日、本満寺のご住職と思われる方が、境内で熱心にお経を唱えておられました。暑い日中に、パラソルと扇風機とともに。大変熱心に唱えておられたのが印象的で、後に少し調べてみたのですが、こちらのご住職さんは東日本大震災の被災地を訪れて読経するなど、かなり精力的に活動されておられるようでした。本満寺さんにはFacebookページもあり、活動の様子をしっかりと伝えておられました。

 

名称:本満寺
住所:京都府京都市上京区鶴山町16
拝観時間:9:00~17:00
アクセス:京阪電車「出町柳駅」から徒歩約10分/市営地下鉄烏丸線「今出川駅」から徒歩約10分
参考情報:本満寺のFacebookページ



plastictレキタビ編集部

歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。

 

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