大分・原尻の滝、美しい大自然の姿と古きよき農村風景に癒やされる歴史旅
幅120m、高低差20mの断崖絶壁から流れ落ちる「原尻の滝」。大分県豊後大野市にあるこの滝は、日本の滝100選や大分県百景にも選ばれている名瀑です。今回は美しい大自然の姿と古きよき農村風景が残る、原尻の滝の魅力をご紹介していきます。
九州・大分の美しい大自然の中にある「原尻の滝」
大分県豊後大野市。九州・大分の南西部に位置するこの地域の自治体は、将来の人口減少、過疎化に伴って、2040年頃には地域の行政が立ち行かなくなってしまう「消滅可能性都市」の上位に入っています。自分自身の家族にもゆかりのある地域だけに、そしてこの地域の過疎化を以前から実感していただけに、こういった話を聞くと少し切ない気持ちになります。
しかしながら、この大分・豊後大野市には全国に誇れる美しい大自然があります。ここは阿蘇山から約60kmの場所に位置する「原尻の滝」。日本の滝100選や大分県百景にも選ばれているこの名瀑は幅120m、高さ20mを誇り、「東洋のナイアガラ」と呼ぶ方もいるそうです。9万年前というはるか昔の阿蘇山噴火の火砕流がこの地域を覆い、冷え固まった石となり、そこに清らかな水が流れ、この原尻の滝を形成したそうです。
限りなく続く山並みと農村の風景
原尻の滝がある豊後大野市には、麦焼酎好きの方であればご存知の方も比較的多い、「泰明(たいめい)」という焼酎の蔵元もあります。この原尻の滝周辺にもいまだ農家は多く、限りなく続く山並みと、農村の風景がとても美しく感じられる場所です。ある意味で時代の流れの速さとは無縁の田舎であり、とてつもなくスローな時が流れているように思います。
原尻の滝周辺にはこんな風景も。水路の水の流れがとても美しく、水車のある農家の建物が、また古きよき田舎の何かを思い出させてくれます。
原尻の滝の横に佇む「不動明王」さま。この穏やかな風景とは対照的な表情が印象的。この地を守り、この滝を守り、地域の水の恵み、大地の恵みを守ってくれているのかもしれません。
田園風景の中に古い鳥居の姿。そして流れる水の美しさと冷たさ。周囲には余計な音がなく、水の音がただただ響き渡る。都会にはないであろう環境がここには当たり前のようにあります。時代は21世紀になっていますが、この数十年、この風景は変わっていないように思います。
流れ落ちる水。原尻の滝には特別な柵などもなく、遮るものは何もありません。まさに自然のままの姿。この場所から実際に下を見てみると、ちょっと怖いくらいの高さでした。
原尻の滝を望む風景。田園風景の中にぽっかりと穴が開いたかのように広がる断崖絶壁と周囲を包む水音。そして滝の上に佇む人の姿。人の姿がこんなにも小さく見える。この場所に座ってゆっくりと滝を眺め、音を聞いていると、マイナスイオンに包まれたかのような感覚を覚えます。
原尻の滝のすぐ横には「滝見橋」という吊り橋もあります。この日もカップルや家族連れがこの吊り橋の上に立ち、揺れる橋を怖がってみたり、少し楽しんでみたり。吊り橋の真ん中辺りから見る滝の景色もまた美しかったですよ。
最後に滝のそばでこんな看板を見つけました。この辺りで栽培されている大麦はキリンビールのビール原料になっているそうです。「キリンビールを愛飲しましょう!」とストレートに書かれた看板の文字が印象的。自分たちが大切に作ったものを、それを使ってくれている企業を、愛着を持って応援する。こういった看板を見ていると、身近な商品もどこかの誰かの、人の手によって作られているんだ。そんな事を改めて実感しました。
名称:原尻の滝
住所:大分県豊後大野市緒方町原尻
公式サイト:おおいた豊後大野ジオパークの紹介ページはこちら
レキタビ編集部
歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。
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