伊賀流忍者の故郷の情景に感動!伊賀上野の街を巡る歴史旅
伊賀流忍者のふるさとであり、俳諧師・松尾芭蕉のふるさとでもある「伊賀上野」。京都や名古屋から比較的近い場所でありながら、深い山々に囲まれているが故に訪れる機会も少ない街。今回は歴史情緒溢れる伊賀上野の街並みをご紹介していきたいと思います。
伊賀流忍者の故郷、伊賀上野の街並みを巡る旅
三重県伊賀市。三重県西部に位置する山深き地であり、滋賀県の南部、その他に奈良や京都とも境界を接する地。古くから京、大坂と比較的近い地理関係にありながら、周囲の山深さから、なかなか訪れる事のない奥地。近年は新名神道路の開通などもあり、名古屋はもちろんですが、京都方面からのアクセスもしやすくなってきました。
この伊賀上野の街といえば「伊賀流の忍者」。もしくは藤堂高虎が築城(大幅に改修)した伊賀上野城や、「伊賀焼」「伊賀牛」などを思い浮かべる人もいるかもしれません。戦国・安土桃山時代を中心に裏の世界で活躍してきた忍者の世界の逸話、築城の名人であった藤堂高虎ゆかりの地、そんなイメージの場所の事がもっと知りたくなり、惹き寄せられて、この伊賀上野の街にやってきました。
こちらは伊賀上野の街の道路で見かけたイラスト。街に降り立ってこのイラストを見た時、ようやく忍者の里に来れた!という思いでつい嬉しくなりました。ちなみにイラストの下には上野市と書いてありますが、こちらは旧の市名で、現在は2004年の市町村合併を経て、三重県伊賀市という市名になっています。
伊賀上野の街並みを歩き始めて目についたのが「はっとり」の文字。はっとり→服部→服部半蔵=伊賀の忍者→このたばこ屋さんは忍者の末裔?ついついそんな風に想像したくなります。
他にも「服部」の文字が。伊賀上野駅前にも服部という名前の付いたビルがあったし、こちらのお店の名前にも服部の文字。伊賀上野の街には結構服部さんが多いようですよ。ちなみに少しネットで調べてみたところ、伊賀にまつわる伊賀流の上忍三家というものがあり、服部家、百地家、藤林家がそれに当たるのだとか。
伊賀上野の街を代表する建物、ランドマークと言えば「伊賀上野城」。伊賀上野駅からも歩いてすぐの場所にあり、天守閣に登って伊賀盆地を一望することもできますよ。ちなみに城の敷地内には「伊賀流忍者博物館」もあり、忍者屋敷を見学したり、忍術体験、忍者ショーなども行われているそうですよ。
伊賀上野の城下町の風景。街並みの中に、こういった古き良き歴史を感じさせる建物が多くあります。山深いこの地だからこそ、こういった風景がよく残っているのかもしれません。こういった風景というのは、次の世代にもぜひ引き継いでいきたいですよね。もちろん、大切に残すためには多くの人の協力と、多大な努力が必要になるんだろうと思います。
街並みの一角にはこんな場所もありました。「史跡 松尾芭蕉翁 誕生の地」。伊賀出身の有名人と言えばこの人ですよね。ちなみに現代だと、俳優の椎名桔平さんも伊賀出身なのだとか。伊賀の実家ではキップスというカフェを経営されているようで、訪れるファンの方もいらっしゃるようです。
こちらが松尾芭蕉の生家。芭蕉が29歳になるまでは、ここで過ごしていたのだとか。保存に協力するための入館料を支払えば生家の中も見学することができるようになっていますよ。
こちらが松尾芭蕉の生家付近にあった俳句。「古里や臍のをに泣としのくれ」。この句の意味は、年の暮れに年老いた兄弟のいる故郷の生家に帰り、自分のへその緒をふと手に取ってみた。今は亡き父母の面影が偲ばれ、懐旧の情に堪えかねて涙にくれるばかりである。俳句のことは詳しくないのですが、大切な故郷と父母への想い、現代でもジーンとくるような、とても素敵な一句に思いました。
街並みの中には「伊賀街道起点の地」を示す場所も。伊賀街道とは伊勢と伊賀をつなぐ街道であり、全長で50kmほどなのだとか。この場所の近辺には歴史を感じさせる古きよき建物が多数。貴重な街並みが残されています。
伊勢へと続く伊賀街道、「芭蕉街」という名前の付いた通りもありました。伊賀上野の人々にとって、忍者文化と松尾芭蕉はとても馴染み深いものなのですね。決して派手さはないけれど、古い佇まいが今も生活の中に根付いている。そんな貴重な場所です。
こちらが伊賀牛のすき焼きなどで名高い「森辻」さん。伊賀牛の精肉店なのですが、今は美味しいレストランとしても有名です。テレビ番組などでも取り上げられ、こちらの極上ランチメニューは大人気のようです。ここ数年の年末、運良く森辻さんの伊賀牛を味わう機会があったのですが、本当に美味しいです。三重県と言えば松阪牛のイメージかもしれませんが、伊賀牛は最高です!伊賀牛(と近江牛と飛騨牛)は個人的にも大好きになりました。
そしてこちらが元祖伊賀牛、すき焼きで有名な「金谷」さん。伊賀の地で100年以上、伊賀牛の改良を重ね、伊賀牛の美味しさを広めたとも言えるようなお店。精肉店で伊賀牛を買うこともできますし、個室で絶品のすき焼きを味わうこともできます。金谷さんと森辻さん、できれば両方を味わい尽くしてみたいものです。
最後に伊賀上野の街並みの一部をご紹介
伊賀上野の街には思わず写真を撮りたくなるような建物がたくさん。そこで何枚かを以下にご紹介しておきたいと思います。この街には、都会では滅多に見る事ができないような建物が、今も生活の中にあります。山々を越え、ここまで来てよかった。一日かけてゆっくりと散歩するのがお薦めの街。本当に良い旅になりました。
レキタビ編集部
歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。
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