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2000年の時を刻む伊勢神宮、神域で天照大御神のパワーを感じ、おはらい町で締めくくる伊勢旅

記事公開日:2015/11/05

伊勢神宮は私たちにとって特別な場所、祭神の天照大御神は日本人の総氏神とされます。今回は伊勢神宮の2つの宮、内宮(皇大神宮)と外宮(豊受大神宮)で感謝の心を伝え、天照大御神のパワーを感じ取る歴史旅へとご案内します。

2000年の時を刻む伊勢神宮、神域で天照大御神のパワーを感じ、おはらい町で締めくくる伊勢旅


天照大御神を祀る伊勢神宮は、すべての神社の本宗

 

伊勢神宮は正式には地名が付かない「神宮」といい、神社本庁の本宗、すべての神社の上に位置します。祭神の天照大御神は皇室の祖先神、そして私たちの総氏神とされています。日本書紀によると垂仁天皇の時代に皇女の倭姫命が、皇祖神、そして天照大御神の祭祀の地を探して伊勢の地に至り、五十鈴川の川上に神殿を建て、この宮を創建したとされています。これは2,000年も前の出来事です。

 

伊勢神宮の風景

 

「御師」や「おかげ参り」で隆盛を極めた伊勢神宮参詣の歴史

 

古い時代、伊勢神宮は国家祭祀のみで、民衆はもとより貴族であっても個人的な参拝はできませんでした。その後、鎌倉時代以後に一般の民衆も参詣できるようになり、全国を行脚して参詣人を案内し、宿泊の世話をする「御師(おし)」という組織が作られました。また、村単位の組織として、参詣や代参、寄進などを行う「伊勢講」や「神明講」が生まれ、お伊勢参りは隆盛を極めていきます。江戸時代には一生に一度はお伊勢参りをするという通念も生まれ、街道沿いの民による施行(接待)によって、「おかげ参り」とも呼ばれ、参詣者は年間数百万人にも達したと言われます。

 

「外宮先祭」と「私幣禁止」。伊勢神宮参拝の作法

 

伊勢神宮は天照大御神を祀る内宮(皇大神宮)と、衣食住の神である豊受大御神を祀る外宮(豊受大神宮)の2宮で構成されています。参拝の順序は「外宮先祭」と言われ、外宮を先に参拝し、後に本宮である内宮に参拝するのが正しい順序とされます。そして伊勢神宮の参拝では「私幣禁止(個人の願い事を行うのは禁止)」という決まり事があります。伊勢神宮は天照大御神に感謝をささげる宮であり、個人の願いごとは「別宮」で行うものとされています。

 

外宮(豊受大神宮)の森

※写真は外宮(豊受大神宮)の森

 

外宮(豊受大神宮)は衣食住の神。荘厳な森に鎮座する

 

外宮(豊受大神宮)の祭神、豊受大御神は「御饌つ神(みけつかみ)」と呼ばれ、天照大神の食事を司っている神です。このことから衣食住の神ともされています。太古の森の中には神殿群が佇み、豊受大御神を祀る「正宮」は4重の御垣の内に鎮座し、拝所より参拝します。また、正宮の奥に別宮の「土宮」と「風宮」、裏手の石段を上がると豊受大御神の荒御魂を祀る「多賀宮」が鎮座し、北の外域には「月讀宮」が鎮座しています。

 

外宮の正宮拝所

※写真は外宮の正宮拝所

 

五十鈴川

※写真は内宮(皇大神宮)の神域を流れる五十鈴川

 

内宮(皇大神宮)は五十鈴川の畔、神秘の聖域に佇む

 

内宮(皇大神宮)は下宮の南、五十鈴川の清流が神域の山々から流れ出る地に鎮座しています。五十鈴川にかかる宇治橋を渡れば、そこは既に神のおわす場所。太古の森に包まれ、神聖な空気が漂っています。五十鈴川の「御手洗場」の流れで手を清めた後は神域の奥へ。石段の上、5重の御垣の内に「正宮」が佇んでいます。尚、石段から先は写真撮影も禁止されている聖域となっています。

 

石段の上の正宮拝所

※写真は石段の上の正宮拝所

 

参拝の際は天照大御神に感謝の言葉を述べましょう。ここは私幣禁止(個人の願いごとを行うのは禁止)、そしてお賽銭箱も置いてありません。拝礼は二礼二拍手一礼の形式です。正宮の裏手には天照大御神の荒御魂を祀る別宮「荒祭宮」が、そして西の森には風の神の別宮「風日祈宮」、さらに外域には月讀宮、瀧原宮、伊雑宮、倭姫宮といった別宮が鎮座しています。

 

内宮(皇大神宮)は神域のすべてがパワースポットとされる

 

神域とは巨木が林立する太古の森。ここは聖域に相応しいパワーを秘めています。そして皇大神宮の御神体は三種の神器の1つ、「八咫鏡(やたのかがみ)」でした。その霊威はくまなく世に光を注ぐとされています。神域の森の木々の間から差し込む陽光は、天照大御神の霊威と考えられ、内宮(皇大神宮)の神域全てがパワースポットとされています。

 

おはらい町

※写真は観光客に人気のおはらい町

 

内宮の鳥居前町、江戸時代の伊勢路を再現したおはらい町

 

内宮の旧街道沿いの町並みは「おはらい町」と呼ばれる鳥居前町となっています。江戸時代の風情溢れる町屋が並び、「伊勢うどん」や「手こね寿司」などの郷土料理、土産物の店が軒を連ね、「赤福餅」で知られる赤福本店や「岩戸餅」「生姜糖」で知られる岩戸屋などの老舗が人気を集めています。そして町の中央にある食べ歩き処「おかげ横丁」も人気の的。ここはお伊勢参りを締めくくる場所として訪れた観光客の人気を集めています。

 

今回ご紹介した歴史スポット

 

名称:伊勢神宮 外宮(豊受大神宮)
住所:三重県伊勢市豊川町279
アクセス:JR東海参宮線、近鉄山田線「伊勢市駅」徒歩約5分

名称:伊勢神宮 内宮(皇大神宮)
住所:三重県伊勢市宇治館町1
アクセス:外宮から内宮へバスで約10分
参考情報:伊勢神宮の公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

 

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