秀吉気分で小田原城を見下ろす！石垣山一夜城歴史公園で天下人の景色を楽しむ旅

豊臣秀吉の天下統一の総仕上げの戦いとなったのが「小田原征伐」。関東の名門、北条家も万全の備えで戦に臨むものの、想像を遥かに超えるスケールの戦を行う秀吉の前に屈する結果となりました。今回は秀吉が作らせて北条家のド肝を抜いたという城、石垣山の一夜城を訪れる歴史旅をご紹介したいと思います。

秀吉の天下統一プロジェクトの総仕上げ、北条征伐とは？

本能寺の変以後、織田信長が成し遂げられなかった夢を結果的に継ぐ事となった豊臣秀吉。柴田勝家を討って北陸を押え、九州、四国を平定し、徳川家康を味方へと引き入れる事に成功した秀吉の最後の課題は関東と東北でした。この戦いに臨むにあたって秀吉は、大名同士の私的な戦を禁じる惣無事令を発布し、天下人としての姿勢、方針を明確に打ち出します。

さらに秀吉は北条家に対して罠を仕掛けます。一説では偽の書状を駆使して北条家を騙し、真田家の名胡桃城を攻撃、奪取させて、惣無事令に対する違反行為を起こしたという名目で北条征伐のきっかけを作り出します。そして北条家の本拠、小田原に集結した豊臣軍の総勢は15万とも20万とも言われ、小田原の出入口を完全に包囲し、ついには北条家を屈服させます。この戦いには東北からも伊達政宗などが参陣し、秀吉の天下統一プロジェクトはここに完成される事になるのです。

北条家のド肝を抜いたという石垣山の一夜城を訪ねる

豊臣秀吉の小田原征伐で有名なエピソードと言えば「石垣山の一夜城」。全国各地の武将に命令を下し、小田原へと集結させた秀吉は、小田原の街が一望できる石垣山に密かに城を作らせたと言います。のべ4万人を動員し、約80日で作らせたという城は石垣山一夜城、または太閤一夜城とも呼ばれ、完成後に周囲の樹木を伐採し、突如として城が現れたように見せかけ、小田原城にいる北条家の面々のド肝を抜いたと伝えられます。

小田原城のある小田原の街の中心地から車で約15分程度。現在の石垣山の麓には農園が広がり、のどかな雰囲気が漂っています。現在は歴史公園となっている石垣山一夜城へは、山の中の農道を抜けて山頂へとアクセスしていきます。

石垣山の山頂に向かう農道の途中には、上のような看板が設置されています。当時石垣山に参陣した武将たちを紹介する内容の看板で、農道の途中、途中に様々な武将の看板が置かれています。

石垣山の麓から車で農道を登って10分ほど。石垣山一夜城の近くに到着しました。ここは駐車場になっていて、ここから歩いて10分ほど山を登れば、石垣山一夜城の本丸跡などを見ることができるようになっています。しかしこの駐車場に到着して最初に目に入ったのは、何やらオシャレな建物とパラソルの存在。

近くへ行くと「一夜城ヨロイヅカ・ファーム」と書いてあります。あの有名なパティシエ、鎧塚俊彦さんが一夜城の目の前、相模湾を一望できるこの場所で農園を経営し、パティスリーや野菜の直売所なども開いているようです。

こちらが一夜城ヨロイヅカ・ファームの建物。店内にはデートで訪れたカップルや家族連れの姿も。秀吉もびっくりのオシャレな一夜城がここにはありました。

店内を散策してみると美味しそうなスイーツがたくさん。中でも目についたのが雑誌「女性自身」のバニラアイスランキングで1位になったというアイスクリームの数々。歴史に興味がない女性を連れてきても、ここなら喜んでもらえそうです（苦笑）。

一夜城ヨロイヅカ・ファームを訪れた後は、いよいよ石垣山一夜城へ。当時の城の様子は上の写真のような感じだったそうで、天守台や本丸に加えて二の丸、さらには複数の曲輪を備え、想像していた以上に大きな城郭であったようです。

いよいよ石垣山一夜城の跡地へ

一夜城を目指して山を少し登っていきます。現在は多くの木々が茂っていますが、かつてはここに伝説の城が建てられました。のべ4万人を動員して80日で作るとは、その当時としてはすごい賑いだったのかもしれませんね。

5分ほど山を登ると、次にゆるやかな下り道が出てきます。比較的ゆるやかな道のりなので、周囲には犬の散歩をする人の姿も。ちょっとしたお散歩のコースにも良いのかもしれませんね。

そして到着した場所がかつての「二の丸」付近。大きな広場のようになっていて、周囲の樹木は綺麗に手入れされていました。

二の丸を道なりに進んでいくと、展望台がありました。城の北側に位置するこの展望台の向こうは箱根方面。小田原城のある小田原の街は右側の方向になります。

展望台から箱根方面の山々を望む。とても綺麗な山並みです。小田原は箱根から近く、南には伊豆もあり、観光には良い場所ですね。

再び二の丸付近へと戻ります。今は城の建物は残っていませんが、とても静かで落ち着く広場になっていました。

二の丸から本丸へと向かう途中にはかつての石垣の姿も。二の丸から5分ほど歩けば、本丸跡へとアクセスする事ができました。

そして本丸跡に到着。天下統一を目前にした豊臣秀吉は、ここで何を行い、何を想ったのでしょうか？しかしながら関東にやってきて突然大きな城を築き、関東の名門・北条家に力の違いを見せつけ、その戦い方のスケールの大きさには驚かされます。

そしてこちらが本丸跡の展望台から見た小田原の街。現在は樹木が生えていますが、この樹木を伐採すれば、小田原城もしっかりはっきりと見渡せます。小田原の街全体が一望できる場所で、参陣した諸将たちの姿もよく見えたのではないかと思います。まさに天下人たる戦い方、その風景がここにはありました。

そして最後に周囲のこともご紹介。この付近には早川・片浦ウォーキングトレイルというコースもあるようで、周囲を歩きながら楽しめるようにもなっていました。小田原市早川は美味しい魚が味わえる場所としても有名で、温泉あり、美味しい料理あり、お土産あり（小田原といえば練り物の街！）で、素敵な旅を満喫する事ができますよ。

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