トップ > 九州・沖縄地方 > 沖縄県 > 八重山列島・石垣島から西表島、由布島へ。日本最南端で美しい海と自然を体感する旅

八重山列島・石垣島から西表島、由布島へ。日本最南端で美しい海と自然を体感する旅

記事公開日:2016/02/15

南西諸島の最南端で石垣島、西表島などの島々が集まる沖縄の「八重山列島」。この亜熱帯海洋性気候の島々には驚くほど美しい海や自然の姿が広がっています。今回は石垣島の「川平湾」から聖地「御神崎」を巡り、「西表島」から「由布島」へと渡る旅をご紹介していきます。

川平湾


川平湾は石垣島を代表する絶景ポイント

 

島々が点在していて距離感が分かりにくいものの、石垣島と鹿児島は約1,000kmも離れ、これは東京と鹿児島間の距離と同じほどになります。また、石垣島の西方向にある台湾の台北までは約250kmとなっていて、沖縄の那覇(約400km)よりも近い距離にあります。

 

そんな石垣島の市街地から、車を40分ほど走らせれば絶景ポイントとして知られる「川平湾」へ。その砂の白さと浜辺から続く海の色は信じられないほどの美しさだと言われます。この美しい湾は海水の透明度が高く、光が深く届き、白い砂や珊瑚礁の反射などで様々な色の変化が見られ、エメラルドグリーンの美しいグラデーションが作られているかのようです。

 

川平湾の周遊クルーズ船

 

川平湾の湾内からは「周遊クルーズ船」も出ています。このクルーズ船の船底はガラス張りのグラスボートになっていて、この美しい海の珊瑚礁や熱帯魚を間近で楽しむことができます。

 

川平湾の美しい珊瑚礁

 

「21世紀に残したい日本の自然100選」や、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」などでも「三つ星」に格付けされている川平湾の景観。改めてこの景勝地の素晴らしさを思い知らされます。

 

石垣島の御神崎

 

川平湾から神女たちが航海安全の祈願を行った聖地「御神崎」へ

 

そして川平湾から7kmほど西へ行った屋良部(やらぶ)半島の北端部には、神が降臨する聖地として石垣島の人々の崇敬を集めてきた「御神崎(うがんざき)」があります。1647年頃の「宮古・八重山両島絵図帳」にも記されているこの場所近くの海域は、古謡では航行の難所と言われ、祭祀を司る「神女(つかさ)」によって安全祈願が行われていたとされています。

 

御神崎灯台

 

この海域では昭和27年には貨客船八重山丸が季節風のために沈没し、死者行方不明者が35人を越えるという海難事故がありました。その後の昭和58年には「御神崎灯台」が建設され、この海域における航行の安全を見守る存在になっています。

 

ブナリヌツブルイシ(姉の頭石)

 

この岬の北側には三角状の岩島があり、その頂きには「ブナリヌツブルイシ(姉の頭石)」と呼ぶ岩があります。この地には「大酒飲みの弟を諌めようとした姉が動かぬ岩と化した」という民話が残され、石垣島の歴史や文化、伝承を知ることができる風致景観として意義深い場所であり、この「御神崎」周辺は2015年10月、国の「名勝地の登録記念物」にも指定されています。

 

西表島への船旅。ここは貴重な生態系を次の世代へと残したい場所

 

そして石垣島から40分ほどの船旅を経れば、約30km離れた西表島大原へと到着します。この地では希少種を保護するために、上陸者は上陸時に靴底を消毒マットで清浄します。これはカエルに病気を起こすカエルツボ菌の侵入を防ぐためで、カエルはイリオモテヤマネコの重要な食料源になっているからです。西表島は沖縄本島に次いで大きい島ですが、島の約8割が国有林となっていて、イリオモテヤマネコなどの稀少生物たちが住む自然に満ちた場所となっています。

 

西表島のマングローブ

 

西表島では仲間川のボート遊覧で、マングローブの鑑賞ができます。マングローブは塩性湿地帯に根を生やす森林の総称で、亜熱帯地域に特に多く見られ、その水面に広がった「支柱根」と呼ばれるタコの足のような独特の景観がよく知られます。

 

のんびりと浅瀬を渡る水牛の車

 

さらにその後は西表島と浅い砂地で繋がる「由布島」へ。この由布島へは「水牛の車」に揺られながら渡っていきます。のんびりと浅瀬を渡るこの水牛車に揺られていると、昔の日本の原風景のような風情が感じられます。

 

沖縄民謡を唄って和ませてくれる

 

水牛の車に揺られている途中、三線(さんしん)を片手に沖縄民謡を唄って和ませてくれました。

 

島唄ライブの居酒屋

 

また、街には島唄ライブの居酒屋もありました。石垣島の地ビールと刺身の盛り合わせ、石垣牛やイカ、カルパッチョ、海ブドウ、泡盛請福などなどを頂きながら、ライブが始まればお客さん同士で盛り上がり、この地の素敵な夜があっという間に更けていきました。

 

八重山列島は美しい自然の宝庫。本州では見えない星や貴重な珊瑚礁が広がる

 

環境省は西表石垣国立公園の対象地域を拡大し、西表島全域(約29,000ha)を国立公園に指定する方針を固めたと報道されています。また、2018年の「奄美・琉球」地区の世界自然遺産登録を目指していて、西表島の特別天然記念物であるイリオモテヤマネコ、カンムリワシなどの生態系の保護、強化を進めていくと伝えられています(2016年2月)。

 

保護されるイリオモテヤマネコ

 

八重山列島の景色

 

空気の澄んでいる八重山列島では、南十字星などの88ある星座のうち、84もの星座が見えるそうです。また、21個ある1等星の全てを見ることができ、本州や九州でも見えない星座や星を眺めることができる場所です。

 

そして石垣島と西表島の間に広がる「石西礁湖」は、東西約20km、南北約15kmもの広がりを持つ日本最大の珊瑚礁であり、この豊かなサンゴ群集の景観は国内外でも評価が高く、学術的にも貴重な地域とされています。この貴重な自然の姿が守り継がれているこの八重山列島、今後もこの姿をぜひ大切にしていきたいものですね。

 

今回ご紹介した沖縄・八重山列島の旅

 

名称:八重山列島(石垣島、西表島)
住所:沖縄県石垣市、八重山郡竹富町
アクセス:石垣島へのアクセスは羽田空港などから「新石垣空港」へ

 

播磨翁播磨翁

兵庫県の播磨国に在住。ワクワク出来る歴史旅をご紹介できれば幸いです。個人的には謎がありそうなディープな歴史が好きです。

 

西表島周辺の人気宿ランキングをチェック

関連するお薦め記事

人気があって、しかも満足度が高いという宿はどこ?日本全国の旅館の中から上位30の宿をランキングでご紹介!
憧れの絶景宿、文化の香り高い老舗宿、そしてコスパ力の高いお得な宿も!ネット予約で5%のポイント還元!
テーマで旅行スポットを探す
地域で旅行スポットを探す