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太古の記憶を伝える宗像大社、海の正倉院とも言われる聖地を知り、そのパワーに触れる旅

記事公開日:2016/01/19

玄界灘の孤島である沖ノ島の沖津宮、そして大島の中津宮と宗像市田島の辺津宮、そしてこの三社の総称として知られるのが「宗像大社」。今回は太古の記憶を伝える宗像大社の歴史や見所をご紹介する旅へとご案内していきます。

宗像大社

※写真は宗像大社(辺津宮)。宗像大社は世界文化遺産候補としてユネスコに推薦されています(2016年1月現在)

 

太古の記憶を伝える聖域「宗像大社」にはパワースポットが散在する

 

福岡県宗像市に鎮座している「宗像大社」は全国7,000余の宗像神社、厳島神社の総本社、そして弁天様の総本宮として古くから信仰を集めています。この宗像神社の祭神である「宗像三女神」は、沖津宮の田心姫神(たごりひめ)、中津宮の湍津姫神(たぎつひめ)、そして辺津宮の市杵島姫神(いちきしまひめ)の姉妹神となっています。

 

また、宗像市田島に鎮座している辺津宮では市杵島姫神を祀っていて、本殿の裏の森には田心姫神の第二宮、湍津姫神の第三宮が鎮座し、聖域の荘厳な空気感を漂わせています。さらに裏手の山中には「高宮斎場」があり、ここは宗像三女神が降臨した聖地とされています。この地では古木を神籬(ひもろぎ)とし、太古の祭祀の姿が現在も残っていて、辺津宮最大のパワースポットとされています。

 

そして湍津姫神を祀っている中津宮は、辺津宮の港である神湊から市営の渡船で15分ほどの大島に鎮座しています。この島の北岸には沖ノ島遥拝所があり、天気の良い日には沖ノ島を望む事ができます。

 

宗像大社(辺津宮)第二宮、第三宮

※写真は宗像大社(辺津宮)第二宮、第三宮

 

辺津宮の高宮斎場

※写真は辺津宮の高宮斎場

 

一木一草一石たりとも持ち出せない、見聞した事を漏らしてはならない島

 

田心姫神を祀っている沖ノ島(沖津宮)は玄界灘の孤島であり、九州と朝鮮半島の中間に位置しています。ここは島全体が神域で女人禁制とされ、仮に男性であったとしても、海中で禊(みそぎ)を行なってから上陸する習わしとなっています。ちなみにこの島には沖津宮の神職がいるのみで、一般の方は参拝する事ができません。沖ノ島では一木一草一石たりとも持ち出す事が禁じられ、ここで見聞したことは一切、漏らしてはならないとする決まりがあるのです。

 

玄界灘の孤島、沖ノ島では多くの国宝が出土。ここは「海の正倉院」

 

この沖ノ島からは、4世紀後半から10世紀頃にかけての、大陸・半島のものを含む銅鏡、刀剣、馬具類、玉類、ガラス類、陶磁器などが発見されています。そしてそれらの宝物が国宝に指定されたことで、沖ノ島は「海の正倉院」とも呼ばれ、これらの宝物は宗像大社(辺津宮)の神宝館にて公開、保存されています。

 

多くの謎が秘められた宗像大社、沖ノ島祭祀生成のストーリーとは?

 

神話によると、宗像三女神は天照大神と素戔男命の誓(うけい)から生まれた神であり、天照大神の命で天孫を助けるために筑紫の宗像に降り立ったとされています。そして宗像の航路祭祀は、宗像周辺の航海民が祀っていた神が、後に半島航路を守護する国家神として祀られるようになったと言われています。この沖ノ島の祭祀は4世紀後半に始まったと言われますが、沖ノ島で出土する遺跡や祭祀遺物は、中津宮や辺津宮では見る事ができず、古い時代は沖ノ島だけの祭祀であったともされています。

 

尚、宗像の宗像氏は、大和の祭祀氏族である大神(おおみわ)氏の流れとされ、宗像に下向した大神氏族が三輪山の三所祭祀を持ち込み、沖津宮、中津宮、辺津宮の祭祀としたという説があります。この三女神の航路祭祀生成にまつわるストーリーはとても奥が深く、未だに謎多き神秘の世界となっています。

 

宗像大社(辺津宮)

※写真は宗像大社(辺津宮)

 

宗像大社参拝の後は、「道の駅 むなかた」に立ち寄るのもお薦め

 

宗像三女神の神秘に浸った後は、宗像大社(辺津宮)から海岸方向へ車で5分ほどの、「白砂青松100選」に選ばれた「さつき松原」へ。そして国道沿いの広大な敷地には市や漁協が運営している「道の駅むなかた」があります。ここは全国有数の人気を誇っている道の駅で、特に鮮魚や刺身の直売、レストラン「おふくろ食堂はまゆう」の漁師料理がお薦めです。ここでは玄界灘の荒波で育った、獲れたての天然ものの味わいが大人気となっています。

 

また、宗像には鐘崎をはじめとして漁港が4箇所もあり、毎朝獲れたての鮮魚が届き、漁師さんが自ら魚をさばくこともあります。玄界灘の女神の謎に触れた後は、ぜひ玄界灘の海の恵みを堪能する旅を満喫してみてください。

 

今回ご紹介した福岡旅のスポット

 

名称:宗像大社(辺津宮)
住所:福岡県宗像市田島2331
アクセス:JR鹿児島本線「東郷駅」よりバス15分
駐車場:社頭に駐車場あり
参考リンク:宗像大社の公式サイト

名称:道の駅むなかた
住所:福岡県宗像市江口1172
開場時間:9:00(夏8:30)~17:00
アクセス:宗像大社より車で約5分
駐車場:店頭に駐車場あり
参考リンク:道の駅むなかたの公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

 

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