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明治維新への道はココから動いた!生麦事件が発生した地を歩く歴史旅

記事公開日:2015/08/08

尊皇攘夷の風が吹き荒れる江戸幕末の1862年に突如発生した「生麦事件」。この事件は後に日本とイギリスの外交問題へと発展し、当事者である薩摩藩とイギリスの間では薩英戦争が勃発。この戦争をきっかけに薩摩藩は方針を転換し、明治維新へと至る道を歩き始めることになる。今回は日本近代化の歴史的転換点の契機になったとも言える生麦事件の発生地を訪ねる歴史旅をご紹介していきます。

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歴史が大転換するきっかけになった生麦事件とは?

 

時は1862年。江戸を出発して京の都を目指していた薩摩藩・島津久光の行列は東海道を西へと向かっていた。そこに偶然、正面の横浜方向からやってきたのが馬に乗っていたイギリス人の一行。そして日本の慣習をよく理解できておらず、この時の状況判断も間違えてしまったイギリス人の一行は、結果的に馬に乗ったまま薩摩藩の行列に分け入る形で進んでしまう。そして島津久光の乗った籠の目前にまで迫った段階で、薩摩藩士たちの手によって斬られてしまう。

 

日本国内でイギリス人の死傷者を出したこの事件に対して、時のイギリス政府は激怒し、江戸幕府に対して断固たる処分を求めた。当時の世界情勢としては、イギリスは清国とのアヘン戦争に勝利し、江戸幕府もイギリスによる武力介入を恐れていたような状況。そのため事を穏便に収めたかった江戸幕府に対して、薩摩藩はイギリス側の要求を拒否。当時、尊皇攘夷勢力の急先鋒でもあった薩摩藩はイギリスとの薩英戦争に臨むも結果的にイギリス艦隊の強さを思い知る事になる。この生麦事件からの一連の流れを経て薩摩藩は政治方針を転換。その後は薩摩藩とイギリスが接近する事となり、イギリスから学んで装備の近代化を推し進めた薩摩藩は倒幕、明治維新へと続く道の要になっていく。

 

生麦事件が発生した場所の現在の様子

 

生麦事件が発生した場所の現在.jpg

 

神奈川県横浜市鶴見区生麦4丁目の住宅街。京急電鉄の「生麦駅」からも比較的近いこの場所が、生麦事件の舞台となった場所。上の写真は東京方面を向いて撮影したものであり、道路の向こう側からこちらに向かって島津久光の行列がやってきた事になる。そしてここで日本の歴史的転換の契機になったとも言える生麦事件が発生した。

 

事件の発生場所には今も歴史を伝える看板が残る

 

生麦事件を今に伝える看板.jpg

 

事件の発生場所となった住宅街の道路沿いには、今も小さな看板がかけられ、当時の事件の内容を伝えてくれている。ここで島津久光の籠の目前にまで迫ってしまい、危機感を感じた薩摩藩士たちの手によって、イギリス人4名は斬られてしまう。深手を追ったイギリス人たちはなんとかこの危機を脱しようとし、横浜方向へと馬を走らせようとする。

 

生麦事件、もう1つの地点にはお堂と石碑が残されている

 

もう1つの場所にはお堂と石碑.jpg

 

ここ生麦にはもう1つ当時の事件を示す場所がある。生麦事件の発生現場から西、横浜方向へと数百メートルほど進んだ場所にはお堂と石碑が建てられている。ここは薩摩藩士に斬られたイギリス人の1人が危機を脱しようとして馬を走らせるも、深手のために落馬。それを追ってきた薩摩藩士たちの手により、そのイギリス人が討ち取られた場所となっている。

 

遭難碑と当時の事件の詳細を伝える看板

 

生麦事件の発生地を示す看板.jpg

 

生麦事件の詳細を伝える看板.jpg

 

イギリス人の1人が絶命した場所にはお堂と遭難碑が建てられ、そこには生麦事件の詳しい様子を伝える看板もありました。事件の発生の場所から西へ真っ直ぐと、命からがらの脱出を試みた様子が感じられます。この事件に、こんな経緯があったとは知りませんでした。

 

生麦事件の場所の近くにはこんなスポットも

 

キリンビール横浜工場.jpg

 

生麦事件の場所として語られる生麦には、実はこんなスポットもあります。ここ、「キリンビール横浜工場」はキリン一番搾りのビールが作られている場所でもあり、「一番搾り うまさの秘密体感ツアー(所要時間:約70分)」と題した工場見学を楽しむ事もできます。ツアーでは、一番搾り麦汁と二番搾り麦汁を飲み比べたり、麦芽の試食、ホップの香りを嗅いだりもできるそうですよ。歴史散歩のついでに美味しいビールを味わって帰るのも、おすすめかもしれませんよ。

plastictレキタビ編集部

歴史スポット巡りや観光、老舗の歴史飯を味わう旅って案外楽しい!と言って頂けるような情報を発信したいと思います。

 

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