日本最古のクラシックホテル・日光金谷ホテル【泊まったみんなのお薦め宿】
みんなが宿泊体験した、全国各地のお薦め旅館やホテルをご紹介するプチ読み物。第18回は日本最古のクラシックリゾートホテル、「日光金谷ホテル」の宿泊体験記をご紹介。慌ただしい日常をちょっとだけ休んで、贅沢なひと時を感じる旅に出かけませんか?
かつて両親、祖父母と一緒に宿泊した思い出のホテルへ
秋の日光街道と中禅寺湖を見に行きたい。ふとそんな風に思い立ち、中年夫婦でのんびりと一泊旅行の贅沢を味わおうと夫と話をしていました。こちらの金谷ホテルは私がまだ子供の頃、両親、祖父母と日光東照宮を見物した際に宿泊した思い出があり、まるで寺院のように豪華な内装と、本格的なホテルマンの接客に感動した記憶がありました。そして九州出身の夫は、「以前から名前だけは知っていた憧れのホテルだ」との事で、二人で楽しみに出かけました。


寺院風の格天井や壮麗な内装、そして和洋折衷の独特なデザイン
日光金谷ホテルの創業は明治6年。ここはあまりにも有名な、外国人向け高級ホテルの先駆けです。本館の寺院風の格天井や、壮麗な内装は古めかしくも感じるかもしれませんが、和洋折衷の独特なデザインや、廊下に飾られた賓客の写真の数々など、まるで博物館に宿泊するかのような面白さがあります。

まるでVIPのような気分が味わえる荘重な接客
また、コンシェルジェをはじめ、レストランのウェイターの方に至るまでが荘重な接客で迎えてくれて、VIPのような気分が味わえます。もしお酒が好きな方ならば、面白いウィスキーを沢山揃えたバーもお勧めです。ダンディなマスターは流石でお話しも上手です。お酒が苦手な方や女性の方でも、きちんと好みを聞いて美味しいカクテルを作ってくれます。

かつて宿泊した思い出の部屋で格別の眺めを
今回の旅行では、かつて両親と共に泊まった思い出の部屋、別館のコーナーツインを予約しました。大谷川と、そこに架かる赤い「神橋」を見下ろす格別の眺め。そしてちょうど紅葉のシーズンだったので、錦繍という言葉がぴったりの、神々しいまでの景色を堪能しました。

夫婦で早朝の散策路を巡り、朝食のパンを堪能
このホテルには、リゾート地らしい瀟洒な庭の他に、裏山一帯に整備された散策路もあります。夫と一緒に早起きをして、爽やかな空気と静かな自然の気配を満喫しました。散策路にはかなりの勾配があり、そして石段もあり、一巡りで40分ほどだったと思います。お陰でお腹も十分に空いて、美味しい朝食をたっぷりと頂きました。金谷ホテルはベーカリーも有名で、一時は自社ブランドのパンを東京の百貨店で販売したりもしていました。今回の朝食で出てきたのはセットのトーストだけでしたが、このトーストが格別の味でした。


日本の洋食のスタンダードとも言えるディナーで思い出が甦る
また、ディナーに関して言えば、古典的とも言えるような洋食のコースを何種類か選ぶ事ができます。名物の「虹鱒のソテー」、そしてポタージュやプリンなど、「日本の洋食のスタンダード」と呼べる品の数々が揃い、丁寧で古風な料理人の技を感じることが出来ました。今回は一泊の夫婦旅行でしたが、昔懐かしい思い出が甦り、とても幸せな気分になれた旅でした。ここはずっと続いていてほしい、そんな素敵なホテルです。