天孫降臨の伝承地・高千穂へ!美しい神話の里で、神秘を感じるパワースポットを巡る旅
九州山地の中央、山深い高千穂町は天孫降臨の伝承地。ここは神話の舞台ともされ、神々を祀る神社群が鎮座しています。今回はこの美しい神話の里で、言葉にできないほどの神秘を感じる、パワースポット巡りの旅をご紹介していきます。
※写真は天安河原の仰慕ヶ窟
高千穂には天岩戸、天安河原、くしふる峰などの神話の舞台が散在
高千穂町は宮崎県の北端に位置し、九州山地の山々に囲まれた地です。記紀神話(古事記と日本書紀の総称)では、天孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)は、天照大神の命で葦原の中つ国(高天原と黄泉の国の中間世界)を治めるために、高千穂の久士布流多気(くじふるたけ)に天降ります。そして現在の高千穂町はその伝承地となっていて、日向三代の宮である「高千穂宮」が置かれた地ともされ、天岩戸、天安河原、くしふる峰など、神話に登場するスポットが散在しています。
※写真は天安河原(九州旅ネットフォトギャラリーより転載)
日向三代を祀る高千穂神社は高千穂の総社。パワースポットとしても人気を集める
高千穂の街の中には「高千穂神社」が鎮座します。この神社は1900年前の創建とされ、高千穂郷八十八社の総社であり、厄祓、縁結び、夫婦円満の神として信仰を集めています。祭神は邇邇芸命、火遠理命(ほおりのみこと)、鵜草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)の日向三代と、三毛入野命(みけぬのみこと)など。三毛入野命が祖神の日向三代を祀った宮とされています。
神域にはまさに神々しい空間が広がり、荘厳な神殿が佇んでいます。境内にある「夫婦杉」は根元が繋がる2本の大杉。この大杉には縁結び、家内安全、子孫繁栄のご神徳があるとされます。また「鎮石(しずめいし)」は悩みを鎮め、世の乱れを鎮めるとも言われています。樹齢800年の御神木、「秩父杉」は気を与えてくれるパワースポットとしても人気を集めています。
※写真は高千穂神社
真名井の滝や柱状節理の断崖など、高千穂峡には幻想的な景観が広がる
高千穂神社の裏手には、五ヶ瀬川が削った「高千穂峡」の深い懸崖が約7kmに渡って続いています。高千穂峡は国の名勝、天然記念物とされ、真名井の滝や柱状節理の断崖が幻想的な景観を形作っています。この高千穂峡で、ボートの上から見上げる真名井の滝は、光に反射して神々しい姿を見せてくれます。
※写真は高千穂峡(九州旅ネットフォトギャラリーより転載)
天岩戸神社は天照大神を祀る宮。神域の天安河原は天岩戸神話を伝える
天岩戸神話を伝える「天岩戸神社」は、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀り、神話において天照大神が、弟の素戔嗚命の乱暴に怒り、隠れたとされる天岩戸をご神体としています。この場所は岩戸川を挟み、西本宮と東本宮が鎮座しています。
西本宮の神域を岩戸川沿いに遡ったところには、天照大神の岩戸隠れの際に天地が暗闇となってしまったため、八百万(やおよろず)の神々が集まり、神議り(かみはかり)を行なったと伝えられる「天安河原」があります。ここは特に神の気配を感じる事ができる霊域となっています。
※写真は天岩戸神社西本宮。ご神体の天岩戸は西本宮から拝観できます
雲海の絶景スポット「国見が丘」と、神々の姿で舞う「夜神楽」
高千穂盆地を望む国見伝承の地「国見が丘」では、秋の冷え込んだ早朝に盆地を覆う雲海を見る事ができます。ここから見る景色は神々の里に相応しい、幻想的な光景となっています。また、天孫降臨の伝承地、くしふる峯をご神体とする「くしふる神社」や、神秘の湧水「天真名井」などの見所も多く、太古のロマンを掻き立てるスポットとなっています。
また、高千穂に伝わる「夜神楽」は国の重要無形民俗文化財に指定されています。天照大神の岩戸隠れの際の、天鈿女命(あめのうずめのみこと)の舞いに起源を持つとされ、天孫降臨や国造り、天照大神の岩戸隠れなどの様子が演じられます。高千穂神社の神楽殿では毎晩20時~21時に夜神楽(高千穂神楽)の実演が行われています。
※夜神楽の実演は現時点での情報になります。現地の状況によっては実演日程が変更されている場合もありますので、訪れる際は事前に再確認する事をお薦めします。
今回ご紹介した宮崎旅のスポット
名称:高千穂神社
住所:高千穂町三田井1037
駐車場:社前に駐車場あり
参考情報:高千穂町観光協会の公式サイト
名称:高千穂峡
住所:高千穂町三田井御塩井
駐車場:周辺に駐車場は多数あり(有料)
参考情報:高千穂町観光協会の公式サイト
名称:天岩戸神社
住所:高千穂町岩戸1073
駐車場:社前に駐車場あり
参考情報:天岩戸神社の公式サイト
各アクセス:高千穂峡、高千穂神社、高千穂バスセンター、高千穂駅、天岩戸神社を結ぶ「高千穂回遊バス」が便利です。一日乗り放題乗車券は大人で600円(2015年12月時点)
あらき 獏(ばく)
情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。
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