トップ > 関東地方 > 群馬県 > 古くから極上とされた日本三名湯!有馬・草津・下呂温泉の3湯の魅力を知る旅

古くから極上とされた日本三名湯!有馬・草津・下呂温泉の3湯の魅力を知る旅

記事公開日:2017/07/04

日本三名湯と呼ばれる温泉地が草津温泉(群馬)有馬温泉(兵庫)下呂温泉(岐阜)の3湯。この日本三名湯という言葉は、室町時代の詩僧「万里集九(ばんりしゅうく)」や、江戸時代の儒学者「林羅山」が、天下の名湯として詩に書いたことに由来すると言われています。今回は国内に約3万の源泉と約3千の温泉地があると言われる日本の中で、古くから極上、優れていると言われた3名湯の魅力を知る旅へご案内します。

 

1.江戸時代の温泉番付で、西の大関に格付けされた兵庫の有馬温泉

 

神戸、六甲山の奥に湧く有馬温泉

※写真は神戸、六甲山の奥に湧く有馬温泉

 

有馬温泉のねがい坂

※写真は有馬温泉のねがい坂

 

「有馬温泉」は神戸、六甲山の奥に湧く温泉郷で、江戸時代の温泉番付では最高位の西の大関とされた、日本を代表する名泉です。この温泉郷は古くから皇族、貴族、文人らに愛され、日本最古の温泉とも言われます。日本書紀によれば、631年に舒明天皇が滞在したと記されていて、奈良時代には行基上人が温泉寺を建立しています。また、平安時代には清少納言の枕草子にも登場し、1176年には後白河法皇と建春門院が行幸。さらに有馬の湯を愛した豊臣秀吉はこの地を何度も訪れ、太閤通や太閤橋などの地名を残しています。近世では小説家の谷崎潤一郎が有馬に滞在して執筆を行い、作品の中にも度々有馬温泉が登場しました。

 

有馬温泉の成分は、療養泉9成分のうちの7つ(単純性温泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、放射能泉)が含まれる混合温泉と言われ、泉質は源泉によっても異なり、塩分と鉄分を多く含む褐色の含鉄塩化物泉、ラジウムを多く含む放射能泉、炭酸水素塩泉の3種類があると言われます。中でも赤褐色の含鉄塩化物泉(赤湯)は「金泉」と呼ばれ、透明な放射能泉と炭酸水素塩泉は「銀泉」と呼ばれています。

 

六甲山地の北面、山峡の温泉郷は急斜面にあり、外湯の「金の湯(金泉)」「銀の湯(銀泉)」、土産物店などが集まる「温泉寺」界隈、古い時代のメインストリート、旧大阪街道の「湯本坂」など、風情溢れる佇まいが今も人気を集め、関西の人たちにとっては馴染み深い湯となっています。

 

名称:有馬温泉
住所:兵庫県神戸市北区有馬町
アクセス:神戸電鉄有馬線「有馬温泉駅」下車。または六甲有馬ロープウェー「有馬温泉駅」下車
参考リンク:有馬温泉観光協会公式サイト

 

2.江戸時代の温泉番付で、東の大関に格付けされた群馬の草津温泉

 

群馬、草津温泉の湯畑

※写真は群馬、草津温泉の湯畑

 

草津温泉の足湯の風景

※写真は草津温泉の足湯の風景

 

「草津温泉」は群馬の白根山麓に湧く温泉郷で、江戸時代の温泉番付では西の大関の有馬に対し、東の大関は上州、草津とされて人気を二分しました。ここは日本武尊(やまとたける)や行基上人、また、源頼朝の開湯とも伝えられている古湯で、豊臣秀吉が徳川家康に入湯を勧めた手紙なども残されています。江戸時代の後期には「草津千軒江戸構え」と称され、多くの湯治客で賑わいました。

 

草津の湯の多くは基本的には酸性泉。しかし、源泉によっては硫黄泉などもあります。古くから「万病に吉」とされ、強酸性の殺菌作用や皮膚の刺激作用で、皮膚病、神経痛、糖尿病など、幅広い病(やまい)の療養泉とされてきました。

 

風情溢れる草津の温泉街には湯畑、地蔵、白旗、煮川など多くの源泉があり、湯温は高く、湯量も極めて豊富です。中でも「湯畑」は温泉街の中心部に自噴している源泉で、湧き出た湯を木樋に通すことで、100度という高温の湯を薄めることなく冷ましていきます。今ではこれが草津のシンボル的なイメージにもなっていて、湯が滝のように湧き出る光景は壮観です。さらに名物の「時間湯」では草津節を唄いながら板で湯をかき回し、湯の温度を下げる「湯もみ」が行われます(千代の湯、地蔵の湯の2湯で行われています)。

 

名称:草津温泉
住所:群馬県吾妻郡草津町
アクセス:JR北陸新幹線「軽井沢駅」からバスで90分。または、JR吾妻線「長野原草津口駅」からJRバス志賀草津高原線で約30分。新宿、渋谷、東京駅から直行便高速バスも運行されています
参考リンク:湯Love草津(草津温泉観光協会公式サイト)

 

3.有馬温泉、草津温泉に並ぶ名湯と言われる岐阜の下呂温泉

 

岐阜、下呂温泉

※写真は岐阜にある下呂(げろ)温泉

 

下呂温泉のシンボル、河原露天風呂

※写真は下呂温泉の「河原露天風呂」

 

有馬温泉、草津温泉と並ぶ天下の名湯と言われるのが、岐阜の飛騨川(益田川)の河畔に湧く温泉郷「下呂(げろ)温泉」。下呂温泉は一千年もの歴史を持つとされ、古くは下呂の東に聳える「湯ヶ峰」の山頂にあった温泉が枯れ、改めて文永2年(1265年)に白鷺(しらさぎ)の教えで飛騨川の河原に温泉が発見されたという開湯伝承が伝わっています。この下呂温泉の源泉は、飛騨川の氾濫によって度々失われていますが、その都度新たな源泉が開発され、復興しています。

 

この地の湯の泉質はアルカリ性の単純温泉で、お湯の滑らかさが大きな自慢。すべすべした肌ざわりの湯のため、「美人の湯」とも称されています。効能はリウマチ、運動機能障害、神経症、神経麻痺、疲労回復など。また、天然の石鹸効果は美容にも優れていると言われます。

 

飛騨川(益田川)沿いの賑わいと山峡の風情が柔らかく調和し、独特の魅力を醸し出している下呂の温泉街。この地では3つの共同浴場で外湯が楽しめ、足湯も点在しています。また、飛騨川の河原にある温泉噴泉地「河原露天風呂」は特に有名で、下呂温泉のシンボルとなっています。

 

名称:下呂温泉
住所:岐阜県下呂市
アクセス:JR高山本線「下呂駅」すぐ
参考リンク:下呂温泉観光協会公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

関連するお薦め記事

人気があって、しかも満足度が高いという宿はどこ?日本全国の旅館の中から上位30の宿をランキングでご紹介!
憧れの絶景宿、文化の香り高い老舗宿、そしてコスパ力の高いお得な宿も!ネット予約で5%のポイント還元!
テーマで旅行スポットを探す
地域で旅行スポットを探す