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福井の名刹・永平寺へ、道元が開いた曹洞宗の大本山で禅修行を体験する旅

記事公開日:2017/05/13

福井県吉田郡永平寺町にある「永平寺」。ここは鎌倉時代、道元禅師によって創建された曹洞宗の大本山です。山深い幽玄の地には回廊で結ばれた七堂伽藍が整然と立ち並び、道元によって定められた厳しい作法に従い、今も雲水たちが張りつめた空気の中で禅修行を重ねています。今回は改めて福井の名刹である永平寺の地を訪ね、参篭や参禅で禅の修行を体感する旅へとご案内します。

古杉の林に佇む永平寺の勅使門(唐門)

※写真は古杉の林に佇む永平寺の勅使門(唐門)

 

古杉が鬱蒼と林立する中、張りつめた空気が漲る七堂伽藍

 

福井県吉田郡永平寺町に位置する「永平寺(えいへいじ)」は曹洞宗の大本山。ここは寛元2年(1244年)、道元禅師によって山深い志比の里に開山され、禅修行の道場としての歴史を刻んでいます。本尊は釈迦如来、弥勒仏、阿弥陀如来の三世仏とされ、10万坪の広さを持つ敷地には回廊で結ばれた七堂伽藍をはじめ、多くの建物が静寂の中で佇んでいます。ここでは今も約200名もの雲水たちが厳しい禅修行を重ねていて、750年前に道元によって定められた作法を守りながら生活をしています。

 

本尊が安置されている仏殿

※写真は本尊が安置されている仏殿。宋代の唐様が美しい総檜造りの建築です

 

比叡山や建仁寺で修行を行い、宋に渡って真の仏法を求めた道元

 

永平寺を開いた道元は、幼くして父母を亡くした影響から仏教への志が深かったと言われ、14歳で比叡山延暦寺へ上り、仏門に入りました。しかし、天台の教えに疑問を抱いて比叡山を下り、建保5年(1217年)には栄西の教えに惹かれて建仁寺へと入り、栄西の直弟子、明全に師事しました。しかし、ここでも目指していた満足が得られず、貞応2年(1223年)に真の仏法を求め、中国・宋の国へと渡りました。

 

宋に渡った道元は天童山景徳寺の如浄のもとで修行を行いました。この如浄の仏法はひたすら坐禅に打ちこむものであり、道元はその影響を強く受けていきます。そして4年余りの修行期間を経て、道元は如浄の禅を嗣ぐことを許され、日本へと帰国しました。

 

その後、日本へと戻った道元は改めて建仁寺へと入ります。その後、京都・深草の地に興聖寺を建てて説法に励みますが、比叡山延暦寺の迫害に遭う結果となりました。そんな折、越前(現在の福井県)の豪族であった波多野義重の要請もあり、道元は新たな道場を築く目的で越前の山深い志比庄へと向かい、寛元2年(1244年)に大佛寺を建立、これが後に永平寺と改められました。

 

室町時代に入ってからの永平寺は、天皇から「日本曹洞宗第一道場」の勅額を贈られて繁栄しますが、暦応3年(1340年)に兵火で伽藍を焼失、そして応仁の乱でも再度焼失するなどの盛衰を繰り返し、現在までの歴史を重ねています。

 

永平寺の山門

※写真は山門。日本曹洞宗第一道場の勅額を掲げた山門は、永平寺最古の建物でもあります

 

荘厳な七堂伽藍を参拝し、悠久の時の流れを体感してみる

 

大佛寺山の山麓、樹齢700年とも言われる古杉の林の中には、山門、仏殿、法堂、僧堂、庫院、浴室、東司の七堂伽藍をはじめ、70余棟の堂宇、楼閣が立ち並び、ここでは今も修行僧たちの読経の声が響いています。この場所の静謐な空気に触れ、七堂伽藍を参拝すれば、悠久の時の流れを感じる事ができるはずです。そして諸堂の拝観に関しては、雲水が法話を交えながら案内してくれますが、禅修業の張りつめた空気感に浸れる貴重な機会となっています。

 

永平寺の中雀門

※写真は中雀門

 

永平寺の承陽門

※写真は承陽門。承陽殿は道元の廟であり、道元以下5世までの像を安置しています

 

泊まりの修行で禅修業の境地を体感、心身が洗い清められるひと時

 

永平寺では参籠、参禅、座禅、法話、写経、中食など、約750年前に道元が定めた作法に基づいた禅修業を体感する事ができます。1泊2日の泊まりでの修業を行う参籠(お籠もり)では、朝のお勤めである「朝課」を体験できますが、100人以上の修行僧が一斉に読経する朝課の様はまさに圧巻です。尚、この永平寺での参篭や参禅を希望する場合は、10日以上前に往復ハガキで申し込みを行う必要があります。

 

ちなみに「iPhone」や「iMac」などの開発で知られるアップルの創業者、故スティーブ・ジョブズも、若い頃に禅の世界に接し、深く影響を受けた人間の一人と言われています。かつてのスティーブ・ジョブズは曹洞宗の大本山である永平寺に憧れ、出家をしようと考えていたというようなエピソードもあり、この地の持つ奥深さは日本人以外にも影響を与えていたという事がうかがえる話となっています。

 

法話や法要などが行われる法堂

※写真は法話や法要などが行われる法堂

 

法話や法要などが行われる法堂

※写真は回廊の階段

 

また、観光の目的でこの地を訪れる場合は、永平寺門前の参道にお土産店や食事処が立ち並んでいます。山深い志比の里の季節感に浸りながら、近隣の散策を楽しむ事ができるようになっています。

 

今回ご紹介した福井県吉田郡永平寺町の旅行スポット

 

名称:永平寺
住所:福井県吉田郡永平寺町志比
拝観時間:8:30~16:00
拝観料:大人高生 500円、小中学生 200円
アクセス:えちぜん鉄道「永平寺口駅」よりバス15分、またはJR北陸本線「福井駅」より京福バス、特急永平寺ライナーで直通約30分
駐車場:町営駐車場あり(有料)
参考リンク:禅の里 永平寺(禅の里 まちづくり実行委員会)

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

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