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加賀百万石の城下町・金沢巡り、前田家と町衆が生み出した伝統文化に触れ、温故知新を感じる旅へ

記事公開日:2017/04/26

東京と金沢を結ぶ北陸新幹線が開通して以来、「城下町・金沢」の魅力が改めて注目されるようになりました。今回は日本三名園の1つに数えられる「兼六園」や前田家の居城であった「金沢城」、そして古い町並みが今も残る「長町武家屋敷跡」「ひがし茶屋街」などを巡り、城下町・金沢で温故知新の心を感じる旅へとご案内します。

日本三名園の1つに数えられている金沢の兼六園

※写真は日本三名園の1つに数えられている金沢の兼六園

 

世界的にも高い評価を受けている歴史と文化の街・金沢城下

 

石川県金沢市は江戸時代、加賀百万石で知られる前田家の城下町として栄えた街。当時の金沢は江戸、大坂、京に次ぐ大都市であり、今も北陸随一の賑わいを見せる都市となっています。かつての城下町には名園として知られる兼六園や、江戸時代最大の大名であった前田家の金沢城、そして石畳の路地が続く長町武家屋敷跡や遊郭に由来するひがし茶屋街など、多数の歴史遺産が残されています。

 

そして金沢城下には九谷焼、加賀友禅、加賀繍、金沢箔など、全国有数の伝統工芸が今も息づいていて、街には工房やギャラリーが散在しています。最近では伝統工芸と対比させた現代美術のコレクション、「金沢21世紀美術館」も人気を呼んでいます。

 

日本以外においても、2009年の「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2009」では、兼六園が3つ星、長町武家屋敷跡の野村家と金沢21世紀美術館が2つ星を獲得していて、金沢城下は世界的にも高い評価を受ける街となっています。

 

金沢城の橋爪門

※写真は金沢城の橋爪門

 

金沢随一の観光スポット、兼六園は四季折々の情緒が味わえる名園

 

江戸時代に金沢城の庭園として作られた「兼六園」は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園とされ、江戸時代を代表する池泉回遊式庭園として、国の特別名勝にも指定されています。春には桜、夏にはカキツバタ、そして秋の紅葉や冬の雪吊りなど、四季折々でその表情が変化していく庭園としても知られています。もし初めて金沢の街を訪れるのであれば、ぜひ兼六園の魅力に触れてみてください。

 

美しい夜景の兼六園

※写真は美しい夜景の兼六園

 

冬景色(雪吊り)の兼六園

※写真は冬景色(雪吊り)の兼六園

 

加賀百万石にして前田家の居城、華やかな金沢城を訪れる

 

兼六園から百間堀を隔てた「金沢城」は、戦国武将・前田利家から続いてきた前田家の居城です。城址は国の史跡に指定されていて、江戸時代のまま現存する石川門や三十間長屋なども国の重要文化財に指定されています。平成13年には菱櫓、橋爪門、橋爪門続櫓、五十間長屋も復元され、金沢城公園として整備が進められています。

 

金沢城菱櫓と五十間長屋

※写真は金沢城菱櫓と五十間長屋。平瓦と白漆喰の海鼠(なまこ)壁、唐破風や入母屋破風の出窓、白い鉛瓦が金沢城の特徴です。その優しく華麗な姿は加賀百万石に相応しい城郭とされます。

 

古い土塀が連なる石畳の小路で感じる情緒、長町武家屋敷跡

 

また、金沢城の西、長町界隈はかつて藩士たちが住んでいた町です。武家屋敷が連なる静かな石畳の小路を散策すれば、前田藩時代の雰囲気が味わえます。そして「野村家屋敷」を訪れれば、当時の格式高い武家屋敷を見学する事もできます。特に山水画の襖、総檜造りの格天井、ギヤマンの障子戸などは文化的評価が高く、古木や雪見灯篭、曲水が絶妙に配置された庭園は、ミシュランの2つ星や米国庭園誌の日本庭園ランキングに選ばれるなど、海外で高い評価を受けています。

 

長町武家屋敷跡

※写真は長町武家屋敷跡

 

野村家の武家屋敷跡

※写真は野村家の武家屋敷跡

 

ひがし茶屋街には江戸時代の金沢の町衆の雰囲気が残る

 

加えて、東山、浅野川沿いの「ひがし茶屋街」を訪れれば、江戸時代の遊郭に由来する古い町並みが広がり、重要伝統的建造物群保存地区をゆっくりと歩く事ができます。このひがし茶屋街の風情溢れる町並みは人気が高く、作家・五木寛之の著作「朱鷺の墓」の舞台にもなりました。夜になれば何処からか三味線や太鼓の音が聞こえ、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような気分。今では金沢の工芸品のお店や古風な食事処に加え、新進気鋭のスイーツのお店なども並ぶようになっています。

 

ひがし茶屋街の町並み

※写真はひがし茶屋街の町並み

 

西茶屋街や妙立寺、6月には金沢百万石まつりなどのイベントも

 

金沢では他にも、犀川沿いの「西茶屋街」、忍者寺と呼ばれる寺町の「妙立寺」なども人気のスポットとなっています。毎年6月には金沢の礎を築いた前田利家公を偲ぶ「金沢百万石まつり」などのイベントも行われ、前田利家公の金沢入城を模した行列が街を練り歩き、友禅灯籠流しや百万石踊り流しなどの行事も行われます。

 

ちなみにもし金沢城下をのんびりと巡るのなら、レンタサイクルの「まちのり」が便利です。金沢の街中に21ヵ所のサイクルポート(貸出・返却の拠点)があり、1回の利用が30分以内であれば、1日200円の基本料金で何度でも利用する事ができるリーズナブルでエコなシステムとなっています。

 

金沢和傘

※写真は金沢の伝統工芸の1つ金沢和傘

 

今回ご紹介した石川県金沢市の旅行スポット

 

名称:兼六園
住所:石川県金沢市丸の内
開園時間:3月1日~10月15日 7:00~18:00、10月16日~2月末 8:00~17:00
入園料:大人(18歳以上)310円、小人(6歳~18歳未満)100円
アクセス:JR北陸新幹線「金沢駅」から路線バス15分「兼六園」すぐ(土日祝は直行シャトルバス運行)
駐車場:専用駐車場あり(有料)
参考リンク:兼六園公式サイト

 

名称:金沢城公園
住所:石川県金沢市丸の内(菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門)
開場時間:3月1日~10月15日 7:00~18:00、10月16日~2月末 8:00~17:00
入場料:大人(18歳以上)310円、小人(6歳~18歳未満)100円
アクセス:JR北陸新幹線「金沢駅」から路線バス15分「金沢城公園・兼六園」すぐ(土日祝は直行シャトルバス運行)
駐車場:専用駐車場あり(有料)
参考リンク:金沢城公園公式サイト

 

名称:武家屋敷跡野村家
住所:石川県金沢市長町
開場時間:4月~9月 8:30~17:30、10月~3月 8:30~16:30
入場料:大人550円、高校生400円、小中学生250円
アクセス:JR北陸新幹線「金沢駅」から路線バス15分「香林坊」徒歩5分
駐車場:専用駐車場あり(有料)
参考リンク:武家屋敷跡野村家公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

 

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