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浜松城、徳川幕府300年の出発点となる出世城を巡り、名将たちのロマンを想う歴史旅

記事公開日:2017/04/03

静岡県浜松市にある「浜松城」は、徳川家康の天下取りの足がかりとなった城。今川氏より独立し、三河から遠江へと版図を広げていった家康は、戦国大名としての成長を重ねていくうちに、「海道一の弓取り」とも呼ばれるようになっていきました。今回は徳川幕府300年の歴史の出発点となる出世城、浜松城を巡る旅へとご案内します。

3層4階の浜松城天守

※写真は3層4階の浜松城天守

 

徳川幕府300年の歴史を築くための試練となった城「浜松城」

 

永禄3年(1560年)、桶狭間の戦いで今川義元が討死したのを機に、今川氏の下にあった松平元康(後の徳川家康)は独立。三河の岡崎城へ入って尾張の織田信長と同盟を結び、三河の地を平定します。やがて、松平から徳川へと改姓した家康は版図を遠江へ広げ、元亀元年(1570年)、本拠を岡崎から遠江の曳馬(ひくま)へと移しました。

 

現在の浜松城は15世紀に築城された曳馬城を前身としています。家康は曳馬城の城域を広げて改修を行い、城下町を整備して曳馬を「浜松」と改めました。そして家康は29歳から45歳までの17年間をこの城で過ごし、姉川の戦い、長篠の戦い、小牧・長久手の戦いなどを体験します。中でも元亀3年(1572年)、武田信玄との三方ヶ原の戦いにおける敗戦は、家康にとって史上最大の苦難であったとされ、この浜松の地での17年間は、徳川幕府300年の歴史を築くための試練の時代であったと言われます。

 

また、浜松城は2017年のNHK大河ドラマ「女城主 直虎」の中で、直虎のいいなづけ井伊直親の嫡男、虎松(井伊直政)が家康に見い出され、小姓として取り立てられた城でもあります。井伊直政はこの後、家康の天下取りを支えた功臣として、譜代大名の筆頭へと駆け上がっていきます。

 

そして、天正14年(1586年)、家康は浜松から駿府へと本拠を移し、浜松城には堀尾氏が入りました。また、慶長5年(1600年)の関ヶ原の戦い以降は、江戸時代を通じて徳川譜代大名の居城となり、家康が天下統一を果たしたことや、歴代城主の多くが後に老中など江戸幕府の要職に出世したことで、浜松城は「出世城」と呼ばれました。

 

浜松城の天守

※写真は浜松城の天守。元亀3年(1573年)、上洛を目指して西上作戦を開始した武田信玄率いる3万の武田軍は、浜松城を素通りして眼前の三方ヶ原台地を行軍し、家康を挑発しました。この時、家康は浜松城から打って出ますが、武田軍の巧妙な反撃に遭い、一方的な敗北を喫しました(三方ヶ原の戦い)。家康は討ち死に寸前にまで追いつめられ、僅かな人数で浜松城へと逃げ帰ります。この敗走は後の伊賀越えと並んで家康の最大の危機と言われ、その後の家康の人生観に大きく影響したと言われます。

 

名将たちのロマンの地、自然溢れる浜松城公園の歩き方

 

浜松城は南北が約500m、東西が約450m。北に広がる三方ヶ原台地の斜面に沿って、最高地には天守曲輪、その東には本丸と二の丸、さらに東南には三の丸が並ぶ梯郭式の平山城です。市役所の裏手から城址への坂道を登ればそこは本丸跡。ここでは「若き日の家康像」が訪れた人を迎えてくれます。

 

また、家康像の後方には往時の石垣が広がっています。石段を上がれば右手に富士見櫓跡。眺望が良く、茶の湯などに利用されたと言われます。天守曲輪の入口には2層の天守門が復元され、天守曲輪の中央には、昭和33年(1958年)に再建された天守が聳えています。この天守の内部は資料館とされ、家康と浜松城下にまつわる歴史資料、武具などが展示されています。そしてこの最上階からは浜松の街を一望する事ができます。

 

浜松城の野面積みの石垣

※写真は自然石を積み上げた野面(のづら)積みと呼ばれる石垣。400年の風雪に耐えた石垣は、今なお当時の面影を残しています。

 

城址周辺は「浜松城公園」として庭園や芝生広場などが整備され、城址の北には重臣、本多重次の曲輪跡とされる作左山(作左の森)が広がります。ここは市民の憩いの場ともされ、春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉と、四季を通じて楽しむ事ができます。城内にはボランティアガイドが常駐し、浜松城の歴史やエピソードを紹介しながら城址を案内してくれます。

 

今回ご紹介した静岡県浜松市の旅行スポット

 

名称:浜松城
住所:静岡県浜松市中区元城町100-2
天守開館時間:8:30~16:30
天守入館料:高校生以上200円、中学生以下は無料
アクセス:JR東海道本線「浜松駅」から遠鉄バスに乗り、「市役所南」バス停から徒歩約6分
駐車場:専用駐車場あり(無料)
参考リンク:浜松城公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

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