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氷川神社、大宮の地名の由来にもなった武蔵国一宮で祭神の謎に触れてみる歴史旅

記事公開日:2016/12/14

埼玉県さいたま市にある「氷川神社」は、氷川神社群の総本社であり、武蔵国における一宮とされます。祭神は須佐之男命、稲田姫命、そして大己貴命の3神で、いずれも出雲の神々となっています。今回は大宮の地で氷川神社に参拝し、東京、埼玉、神奈川の守護神とされ、勅祭社でもあるこの宮が、出雲神を祀る謎に触れてみる歴史旅へとご案内します。

氷川神社の朱塗りの楼門

※写真は氷川神社の朱塗りの楼門

 

大いなる宮とされる武蔵国一宮、この大宮の氷川神社の謎とは?

 

埼玉県さいたま市大宮区の「氷川神社」は、全国に約200社あるとされる氷川神社の総本社です。ここは武蔵国における一宮であり、勅祭社とされています。また、宮中の年始の儀式である「四方拝」でも遥拝される一社ともされます。そもそも大宮の地名は、この社を「大いなる宮」と称えた事に由来すると言われ、正月の初詣では約200万人以上が参拝し、全国でも10位以内に数えられています。

 

この宮の祭神は、須佐之男命(すさのお)と妻神の稲田姫命(いなだひめ)、子神の大己貴命(おおなむち)の3神となっていて、いずれも国づくりに関わる出雲の神々です。「氷川(ひかわ)」の名も出雲の斐伊川(ひいかわ)に由来するとされ、武蔵国一宮、首都圏の守護神とされるこの宮が、出雲神を祀る謎が指摘されています。

 

そして、氷川神社の地はかつて見沼(神沼、御沼)と呼ばれた広大な湖沼でもあり、もとは水神を祀っていたとも言われ、「氷川神」と呼ばれる見沼の水神の存在も語られます。

 

銅板葺き、流造りの荘厳な拝殿

※写真は銅板葺き、流造りの荘厳な拝殿

 

二千年以上も繁栄が続いた大宮・氷川神社の歴史

 

社伝によれば、大宮の氷川神社は第5代、孝昭天皇3年の創建と言われ、二千年以上の歴史を持つ古社とされます。そして第12代、景行天皇の代に日本武尊が東国平定を祈願、また第13代、成務天皇の時代には兄多毛比命(えたもひ)が武蔵国造となってこの社を崇敬し、大いに栄えたとされます。

 

平安時代の後期には、平将門の乱に関連して平貞盛がこの社で戦勝を祈願。そしてその乱を平定したことから、関東の武家に幅広く信仰され、武蔵国中に氷川神社が広がったともされています。

 

治承4年(1180年)には源頼朝が社殿を再建して社領を寄進。また、徳川家康の江戸入府により、文禄5年(1596年)に社頭が造営され、江戸幕府より社地が寄進されて繁栄しました。

 

氷川神社の舞殿

※写真は氷川神社の舞殿

 

かつてこの地に入った出雲の氏族にまつわる、大宮・氷川神社の祭祀

 

また別の記録では、第12代の景行天皇の時代に、出雲の氏族がこの地に移住したと伝えられます。さらに第13代、成務天皇の時代に武蔵国造となった兄多毛比命(えたもひ)は、出雲の氏族であったとも言われます。

 

境内の奥には「門客人神社」が鎮座し、この社も元は荒脛巾(あらはばき)神社と呼ばれ、アラハバキ神を地主神として祀っていたとされます。地主神とはこの地本来の神で、「アラハバキ神」とは古代東日本の民の神と言われます。

 

また、この大宮の氷川神社の地は、江戸時代中期まであったとされる広大な湖沼、「見沼(神沼、御沼)」の畔であり、境内に広がる神池などはその名残りとされます。そして、旧見沼の周辺から荒川流域に氷川神社群が濃く分布し、見沼を神体とする「氷川神」と呼ばれる水神を祀っていたとも言われます。この氷川神社の信仰の根源には、太古から崇められた水神の存在があったようです。

 

かつて景行天皇や成務天皇の時代、この地を開拓した出雲氏族は太古からの氷川神の信仰に、自身らの氏神、須佐之男命、大己貴命、稲田姫命の3神の祭祀を重ね、連従させた先住の民の神、アラハバキ神をも地主神として祀ったものなのでしょうか。

 

明治元年(1868年)には、東京に入った明治天皇が大宮へ行幸し、武蔵国一宮であったこの社を武蔵国鎮守の勅祭社とし、宮城(皇居)の地主神として四方拝の一社としています。

 

舞殿を望む景色

 

大宮・氷川神社の歩き方。境内に散在する多彩な摂末社群

 

さいたま新都心駅のそば、旧中山道の大宮宿の地に一の鳥居があり、ここから神社まで約2kmに及ぶ参道が延び、3つの大鳥居が並んでいます。その参道にはケヤキをはじめ700本ほどの木々が植えられ、古木25本が市の天然記念物に指定されています。

 

そして境内へと入ると神池が広がっています。この神池に懸かる神橋を渡り、鮮やかな朱塗りの楼門を入ると舞殿、拝殿、本殿が並び、社殿群は武蔵国一宮に相応しい壮麗さを見せています。

 

また、境内には13の摂末社が散在し、神橋の手前には大山咋(おおやまくい)命を祀る松尾神社、その先には稲荷神社、神池の中の島には宗像神社が鎮座しています。神橋の右手には天照大御神や住吉神など6神を祀る六社があり、その奥には少彦名命を祀る天津神社が鎮座しています。

 

そして境内の奥には門客人神社と御嶽(みたけ)神社が並びます。また、参道、二の鳥居の手前には学問の神さま、天満神社が鎮座するなど、氷川神社の摂末社群は多彩です。

 

ケヤキ並木の参道

※写真はケヤキ並木の参道

 

今回ご紹介した埼玉県さいたま市の旅行スポット

 

名称:大宮 氷川神社
住所:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町1-407
アクセス:東武野田線「大宮公園駅」「北大宮駅」から徒歩約10分。JR、東武野田線ほか「大宮駅」から徒歩約20分
駐車場:境内に駐車場あり
参考情報:氷川神社公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

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