トップ > 北海道・東北地方 > 北海道 > 季節限定のロングトレイル!浮かび上がる「牛」の文字の山へ登り、風の見える丘を歩く旅

季節限定のロングトレイル!浮かび上がる「牛」の文字の山へ登り、風の見える丘を歩く旅

記事公開日:2016/02/05

北海道の東には、夏になると巨大な「牛」という文字が浮かび上がる山があります。「モアン山」と呼ばれているこの山は、アイヌ語で「静かである川」、または「小さな鷲捕小屋の川」の意味であると言われています。今回はこのモアン山周辺の夏と冬の景色、そして「期間限定のロングトレイル」を知る、絶景の北海道・中標津旅をご紹介していきます。

「牛」の字が浮かび上がる夏のモアン山と虹の姿

※写真は「牛」の字が浮かび上がる夏のモアン山と虹の姿

 

異なる角度から見た、モアン山の「牛」の字

※写真は異なる角度から見た、モアン山の「牛」の字

 

夏になると浮かび上がる、牛への感謝を込めた巨大な「牛」の文字

 

裏摩周展望台・神の子池へと続く道道150号線沿いで、中標津町から清里峠方面へ、養老牛市街を曲がると見えてくる小さな山が「モアン山」。ここは計根別農協の育成牧場であり、年に2回ほど笹やぶをチェーンソーで刈り取り、「牛」の字を浮かび上がらせています。これは地元の青年部員が「牛への感謝」を表現しようと毎年行っているもので、この文字は飛行機からでも見る事ができます。

 

※放牧期間は牛への感染症防止のため、牧草地内に入れない事になっています。

 

雪景色に染まるモアン山

※写真は雪景色に染まるモアン山

 

牧場が閉じる冬になれば、期間限定の登山ルートが開く

 

総延長71.4kmのロングトレイルが「北根室ランチウェイ」。このうち、モアン山へと登ることができる「期間限定の牧場内コース(第4ステージ)」が開くのは、牛を放牧していない11月から5月下旬頃までの間だけ。特に雪が積もりしっかりと固まる2月から3月にかけての時期が歩きやすくてお薦めです。スノーシューとストックを準備し、おにぎりなどの昼食や暖かい飲み物、そしてお菓子などの行動食を携え、途中には人ひとりがやっと歩けるほどの幅の板を渡しただけの川もあるため、防寒・防水対策をしっかりと行なってから臨みます。

 

冬のモアン山から望む根釧台地の格子状防風林

※写真は冬のモアン山の頂きから望む、北海道遺産「根釧台地の格子状防風林」

 

モアン山の頂きには、宇宙からも見えるという北海道遺産の景観が広がる

 

標高356.7mのモアン山。その頂きからは北海道遺産となっている「根釧台地の格子状防風林」を望むことができます。この防風林は幅が180m、総延長は648kmという、宇宙飛行士の毛利衛さんが「宇宙から見えた」というほどの大きさの人工防風林です。この格子状防風林は北海道の厳しい気候の中で、風や霧、吹雪を防いで人と畑を守り、シカや鳥などの生き物たちの通り道にもなっています。そんな貴重な防風林がすぐ目の前に広がっているモアン山の景観です。時にはクマも通り、トウモロコシ畑をあさっているようではありますが、この時期であれば冬眠しているのでご安心を。

 

雄阿寒岳や雌阿寒岳などの眺望

 

西には雄阿寒岳と雌阿寒岳、そして北と東には知床半島に連なる山々の眺望が開けます。この素晴らしい絶景は、一度目にするとまた必ず訪れてみたくなる眺めです。

 

広大な雪原の道を歩く

 

「風の見える丘」は、唯一風の音だけが聞こえてくる白銀の世界

 

モアン山へと続く冬道は、時折山からの強い風に襲われることがあります。そんな時には風の切れ目で行動食を摂って元気を出します。また、道のりの途中の川には、細く、斜めに渡された板があります。この板は春先には雪で埋まってしまい、その代わりに降り積もった雪で、「自然の橋」ができていることもあります。雪のない時期であればすぐに辿り着けるはずの場所が、倍以上の時間となってしまう冬のロングトレイル。ただただ広大な雪原の道を歩き続けます。

 

そして「風の見える丘」は、牧草地のひときわ高い場所に広がり、ただ自然の風の音だけが耳元で鳴り響きます。この音を聞いていると地球の大きさを感じ、その中に生かされている存在である自分自身を感じることができると思います。

 

夏の景色

 

広大な大地を望む景色

 

2015年からは、牧場の横を歩く通年可能のコースも開通しました。このコースはモアン山へは登れませんが、暖かい時期に放牧された牛たちの姿を眺めながら、ロングトレイルを楽しむのも心地よいものです。このモアンコースの他にも、「北根室ランチウェイ」には根室中標津空港から弟子屈町のJR美留和駅まで、開陽台や摩周湖など、北海道の大地の広大さを堪能できるコースが続いています。最近では夏のトレイルランニングや、スノーシューで走り抜けるスノーシューレースなども企画されていますので、トレイル好きの方はぜひお見逃しなく。

 

今回ご紹介したモアン山と風の見える丘の旅のスポット

名称:北根室ランチウェイ 期間限定牧場内コース
住所:〒088-2684 北海道標津郡中標津町養老牛
アクセス:根室中標津空港から道道150号線経由で約30分
参考リンク①:北根室ランチウェイの公式サイト
参考リンク②:北根室ランチウェイの最新情報(ブログ)

 

plastictReiko

フォトライター。北海道の東から、心を動かされる風景など、旅したくなる北海道の情報を発信していきます。

 

根室の人気宿ランキングをチェック

関連するお薦め記事

人気があって、しかも満足度が高いという宿はどこ?日本全国の旅館の中から上位30の宿をランキングでご紹介!
憧れの絶景宿、文化の香り高い老舗宿、そしてコスパ力の高いお得な宿も!ネット予約で5%のポイント還元!
テーマで旅行スポットを探す
地域で旅行スポットを探す