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足腰の神様・護王神社、スポーツ選手も訪れる神社で不思議なイノシシの伝承に触れる旅

記事公開日:2016/01/18

「足腰の神様」または「イノシシ神社」とも呼ばれている京都の「護王神社」。今回は足腰の健康や安全にご利益があるというこの神社の見所や、不思議なイノシシの伝承に触れる京都旅をご紹介していきます。

護王神社の表門


巨大な足腰御守が目印となっている「足腰の神様」

 

京都御所のすぐ隣、南北に伸びている烏丸(からすま)通り。この烏丸通り沿いには蛤御門の変で知られる御所の蛤御門や、菅原道真公の生誕地と伝えられる菅原院天満宮神社などの名所があります。そして近年、この界隈には一際多くの人々が集まる1つの神社があります。

 

その神社の名前は「護王神社」。別名「イノシシ神社」とも呼ばれる神社であり、神社の表門にはユニークな足型の絵と、「足腰御守」と書かれた巨大な御守が垂れ下がっています。

 

護王神社、表門の御千度車

 

表門の御千度車を回してから、足腰の健康や安全を祈願

 

すぐ目の前に京都御所を望む護王神社(いのしし神社)。その表門の下にあるのが「御千度車(おせんどぐるま)」と呼ばれる御影石製の車です。この護王神社は足腰の守護にご利益がある神社とされ、足腰の健康や安全、そして病気や怪我の平癒を望む人々が多く訪れます。そしてこの神社を訪れた人々は、表門の下にあるこの御千度車を回してから境内へと入り、足腰の無事を祈願、参拝します。

 

ちなみに護王神社では毎月21日に「足腰祭」と呼ばれる神事を行なっていて、その祈願祭の後もこの御千度車を回し、表門の御守りの下をくぐって足腰の無事を祈願しているのだそうです。

 

足腰の守護神にまつわる案内板

 

足腰の神様と言われる和気清麻呂公は、平安京遷都の貢献者

 

境内へ入ると「足腰の守護神」、そして「和気清麻呂公」と書かれた案内板が。この護王神社では、平安京への遷都を桓武天皇に進言し、現在まで続く京の都のきっかけを作った人物、和気清麻呂公とその姉の和気広虫が祀られています。

 

護王神社の本殿

 

足腰の神様、和気清麻呂公とイノシシにまつわる不思議な伝承

 

護王神社が足腰の守護神と言われるようになった背景には、和気清麻呂公の伝承があります。それは平安京への遷都が行われるさらに25年ほど前の話で、宇佐八幡宮神託事件(道鏡神託事件)として知られる事件がきっかけになります。当時の称徳天皇に重用されていた道鏡という僧が、大きな発言力を持っていた九州・宇佐八幡宮の神託により、自らを皇位に就けるべしと言い出します。そしてその神託の真偽を確認しに行った和気清麻呂公は、道鏡の思惑に反し、そんな神託はないという報告を行います。

 

この報告に激怒した道鏡は、自らの政治力を利用して和気清麻呂公の足の腱を切って歩けなくした上で、九州へと左遷してしまいます。そして失意のうちに九州へと向かった和気清麻呂公に1つの奇跡が起こります。左遷先の国へ向かう途中で宇佐八幡宮へ立ち寄ろうとした和気清麻呂公の前に、どこからともなく三百頭ものイノシシが現れ、その道を案内してくれたと言います。そして無事に宇佐八幡宮への参拝を終えると、不思議なイノシシたちの群れは去ってゆき、それと同時に足の痛みが治り、歩けるようになったと言われています。

 

足腰守神の社殿(祈願殿)

 

護王神社の境内に建っている「足腰守神」の社殿(祈願殿)。本殿へ参拝した人々が次々とこちらの祈願殿にも手を合わせています。

 

奉納されている絵馬の数々

 

祈願殿のすぐ近くには、様々なイノシシを形どった絵馬も。多くの人々が和気清麻呂公の伝承にちなんでこの地を訪れ、そのご利益を求めて絵馬を奉納しています。

 

願掛け猪と座立亥串

 

訪れた人々の想いが集まる願掛け猪と座立亥串

 

また、境内には「願掛け猪」と呼ばれるイノシシの石像が建ち、その周囲には座立亥串(くらたていぐし)と呼ばれる願掛けの串が多数立てられています。ここには足腰の無事、病気平癒を願う人たちの想いがたくさん集まっていました。

 

足萎難儀回復の碑

 

足腰が大切となるスポーツの選手も多く訪れる

 

さらに境内には「足萎難儀回復の碑」と呼ばれる石碑もあります。石碑の下にはサッカーボールのような絵も描かれていますが、この神社はサッカー選手やマラソン選手など、足腰が大切となるスポーツに携わっている人たちも訪れるのだとか。ちなみにこの護王神社の近くには、蹴鞠の神様で知られる「白峯神宮」などもあるため、こちらと合わせて訪れる人も多いのだそうです。

 

護王神社のイノシシ様

 

その他にも護王神社の境内にはイノシシにまつわる場所がたくさん。鼻を撫でると幸せになれるという「幸運の霊猪」や、神社の狛犬の代わりに建つ「狛イノシシ」なども。和気清麻呂公と不思議なイノシシの群れたちの伝承は、今も多くの人々の心の拠り所となっていました。

 

今回ご紹介した京都旅のスポット

 

名称:護王神社(別名:いのしし神社)
住所:京都府京都市上京区烏丸通下長者町下る桜鶴円町385
拝観時間:6:00~21:00(祈祷・授与所の受付は9:00~17:00)
拝観料金:無料
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線「丸太町駅」から北へ徒歩約7分
駐車場:専用駐車場なし(近隣にコインパーキングはあり)
参考リンク:護王神社の公式サイト

 

plastictニホンタビ編集部

日本には奥深い魅力を持った素晴らしいスポットがたくさん!ニホンタビがもっと楽しくなる、そんな大人のための旅行情報を発信していきます。

 

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