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神功皇后の伝承に彩られた北部九州を巡り、美しい神社の数々を知る福岡旅

記事公開日:2015/12/26

九州北部の玄界灘沿岸には、古代の神功皇后にまつわる伝承に彩られた神社群が数多く残されています。今回は神功皇后という人物の逸話を紐解きながら、この地に残る数多のスポットを巡る福岡旅をご紹介していきます。

神功皇后の伝承地を巡る福岡旅


玄界灘沿岸は神功皇后に関する伝承の中心地。古代日本の大いなる謎を秘めた地

 

第14代天皇、仲哀天皇の皇后として知られるのが神功皇后(じんぐうこうごう)。仲哀天皇とともに熊襲(くまそ)討伐のために筑紫(現在の福岡県の東部を除いたほぼ全域)へ赴き、橿日宮(かしいのみや)へと入ります。そしてそこで住吉神から、熊襲よりも新羅を攻めよとの神託を受けます。しかし、仲哀天皇は熊襲の征伐へと向かってしまい、敗北して撤退。さらに翌年には香椎宮で亡くなってしまいます。


そして後に残された神功皇后は、住吉神の神託に従って三韓征伐の軍を起し、新羅を攻めます。新羅は戦わずして降服し、高句麗、百済をも従わせてしまいます。そして神功皇后は帰途、筑紫の宇美で応神天皇を生んだと言われています。

 

福岡市東区にある香椎宮

※写真は福岡市東区にある香椎宮(かしいぐう)

 

博多湾岸の香椎宮は仲哀天皇の仮宮だった場所。後に神功皇后が天皇の霊を祀る

 

博多湾の香椎浜に鎮座する「香椎宮(かしいぐう)」は、仲哀天皇が仮宮とした跡地であり、神功皇后が仲哀天皇の霊を祀った宮ともされます。ここは香椎廟とも呼ばれて朝廷の崇敬が厚く、伊勢神宮などと共に本朝四所(日本四所宗廟)に数えられ、現在も天皇からの勅使の参向を受けています。宮の裏手には仲哀天皇の本営跡、そして天皇に仕えた武内宿禰が居住したとされる武内屋敷などの旧蹟が散在しています。

 

神木、綾杉や霊泉、不老水といったパワースポットが人気の香椎宮

※写真は香椎宮。神木、綾杉や霊泉、不老水といったパワースポットが人気

 

福津の宮地嶽神社は、三韓征伐の船出の地ともされる戦勝祈願の宮

 

香椎宮の北、福津の「宮地嶽(みやじだけ)神社」は玄界灘を望む高台に鎮座しています。ここ宮地岳は、三韓征伐の船出を前に祭壇を設け、戦勝祈願を行なった山と言われています。仲哀天皇の皇后であった神功皇后は、三韓征伐からの帰途に、宮地岳の山腹にこの社を創建したとされています。

 

宮地嶽神社

※写真は宮地嶽神社。この宮の大注連縄、大太鼓、大鈴の3種は日本最大を誇る

 

粕屋の宇美八幡宮は神功皇后が三韓征伐からの帰途、応神天皇を産んだとされる地

 

お腹に子を宿したまま海を渡った神功皇后が、その帰途に応神天皇を産んだとされるのが糟屋郡宇美町の「宇美八幡宮(うみはちまん)」です。この宮は安産の神として信仰され、境内には産湯の水、子安の石、子安の木など、神功皇后の出産伝承にまつわる神蹟が散在しています。

 

宇美八幡宮の境内

※写真は宇美八幡宮の境内。樹齢2000年ともされる湯蓋の森(写真)や衣掛の森などの大楠が生い茂る

 

筑前国の一宮、筥崎宮は応神天皇が生まれた折の胞衣(えな)を納めた宮

 

博多湾、箱崎海岸の「筥崎宮(はこざきぐう)」は筑前国の一宮です。ここは大分の宇佐神宮、京都の石清水八幡宮とともに日本三大八幡の1つとされています。応神天皇の胎盤、胞衣(えな)を筥(はこ)に入れて納めた地とされ、後に敵国降伏の額を掲げ、外敵退散の祈願宮となります。

 

その他にも、神功皇后が航海の安全を祈ったとされるのが「宗像大社」。そして渡海の際に神功皇后が住吉三神を祀ったとされるのが「住吉本社」。さらに神功皇后の船団を守護し、勝利へと導いた警固大神を祀っているのが「警固神社」となっています。加えて三韓征伐の帰路、神功皇后が御餞のもてなしを受けたとされる「鳥飼八幡宮」など、玄界灘沿岸には、神功皇后の伝承にまつわる神社群が密集しています。

 

筥崎宮

※写真は筥崎宮(はこざきぐう)。敵国降伏の扁額は醍醐天皇の筆とされます

 

神功皇后の伝承は創作という説もあり、皇后の実在説と非実在説も並存する

 

一説には、神功皇后は筑紫に赴いた斉明女帝や、百済救援を指揮した中大兄皇子をモデルに創作された人物ともされ、白村江の戦いでの大敗した折に構想された、ナショナリズムであるとも言われます。また、鎌倉時代の元寇を契機として八幡神信仰が隆盛し、北部九州の神々は宇佐神宮などの傘下に入り、神功皇后や応神天皇の信仰を受け入れたとされ、多くの宮で三韓征伐に拘わる縁起が、その時代に創作、付加されたとも言われています。

 

しかしながら、当時の倭国(日本)が韓半島に進攻したとする記録は、朝鮮の史書や高句麗における広開土王碑文などにも認められ、三韓征伐は史実とも見えます。何よりも九州において、神功皇后にまつわる伝承や地名の数は3,000にものぼると言われ、このおびただしい数の伝承自体が、その史実性を裏付けているとも言われています。

 

北部九州に残されている数多の伝承。それが真実なのかそうでないのか、今となっては確かめる術もありませんが、これらの伝承がこの地を訪れる魅力の1つとなり、今も多くの人々に日本の歴史の浪漫を感じさせてくれる。この地はそんな貴重なスポットでもあるのです。

 

今回ご紹介した福岡旅のスポット

 

名称:香椎宮(かしいぐう)
住所:福岡県福岡市東区香椎4-16-1
アクセス:JR香椎神宮駅より徒歩5分
駐車場:社頭に駐車場あり
参考リンク:香椎宮の公式サイト

 

名称:宮地嶽神社
住所:福岡県福津市宮司元町7-1
アクセス:JR福間駅よりバス5分
駐車場:社頭に駐車場あり
参考リンク:宮地嶽神社の公式サイト

 

名称:宇美八幡宮
住所:福岡県糟屋郡宇美町宇美1-1-1
アクセス:JR宇美駅より徒歩6分
駐車場:社頭に駐車場あり

 

名称:筥崎宮
住所:福岡県福岡市東区箱崎1-22-1
アクセス:JR箱崎駅より徒歩8分
駐車場:社頭に駐車場あり
参考リンク:筥崎宮の公式サイト

 

あらき 獏(ばく)あらき 獏(ばく)

情報誌の編集者を経て、現在は文化、歴史系フリーライター。歴史を側面から探ることで、歴史の謎解きを楽しんでいます。

 

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