トップ > 関東地方 > 東京都 > 自然豊かな清澄庭園、岩崎弥太郎も造成に携わった都心の憩い場で歴史散歩

自然豊かな清澄庭園、岩崎弥太郎も造成に携わった都心の憩い場で歴史散歩

記事公開日:2015/09/01

ブルーボトルコーヒーの1号店がオープンし、コーヒーの街としても注目を集めている清澄白河。東京駅から電車でわずか15分程度と、都内の中心に位置している清澄白河ですが、この場所には都心とは思えないほどに、豊かな自然があるのをご存知でしょうか?今回は「清澄庭園」の歴史散歩をご紹介していきたいと思います。

00038.jpg


都心とは思えないほどに、豊かな自然が溢れる場所

 

入場料の150円をお支払いして中に入ってみると、まずその自然の多さに圧倒されます。周り一面に草木が咲き乱れていて、ここが都心であることを忘れてしまうほどです。ちなみにここは文部科学大臣によって指定される、「東京都指定名勝」にも選ばれています。

 

清澄庭園

 

岩崎弥太郎によって造成された清澄庭園

 

清澄庭園の歴史を辿ってみると、明治11年(1878年)にまで遡ります。当時のこの場所には、江戸の商人、紀伊國屋文左衛門(きのくにや ぶんざえもん)の屋敷が存在していたと言い伝えられています。

 

ちなみにこの紀伊國屋文左衛門ですが、正確な記録が残されていないらしく、まだまだ謎な点がとても多い人物なのだとか。時には存在しなかった架空の人物として扱われてしまうことあるそうで。(無かったことにされてしまうなんて、何だか少し可哀想ですね・・・)

 

そんな人物が住んでいた跡地とも言われるこの場所。当時は既に荒れ果てていたにも関わらず、岩崎弥太郎がまるごと買い取りました。ちなみに岩崎弥太郎は実業家であり、「三菱財閥」の創業者としても有名です。当時の荒れ果てた土地をまるごと買い取ってしまうなんて思い切った選択だと思います。実業家としての判断力が優れていたからなのでしょうね。

 

ここで1つ余談なのですが、岩崎弥太郎と言えば、2010年にNHKで放送された「龍馬伝」の俳優・香川照之さんの演技が記憶に新しいですよね。香川さんの絶妙な演技がとても印象的でした。歴史が好きな方は、レンタルして見直してみるのもお薦めですよ。

 

そして話を元に戻すと、岩崎弥太郎は三菱社員の接待や慰安を行う場所を作ろうと新たな建設に着手。明治13年には「深川親睦園」という当時の名前で完成まで辿り着きます。明治時代からこのような立派な造りの庭園が造成されていたとは、本当に驚きです。

 

その後、岩崎弥太郎の死後もこの工事は継続して進められ、明治を代表する庭園のスタイルである「回遊式林泉庭園」が誕生したと言われています。

 

岩崎弥太郎が造成した回遊式林泉庭園の内部を巡ってみる

 

それでは、岩崎弥太郎が造成を手がけた「回遊式林泉庭園」の内部をご紹介していきます。まず最初はこちらの石をご紹介。

 

清澄庭園の紀州青石

 

一見、ただの普通の石かと思いきや、実は「紀州青石」というしっかりした名前のある石なのだとか。清澄庭園には名石と呼ばれるような代表的な庭石が多数置かれているのです。

 

こちらの庭園の庭石は、岩崎家が自らの会社の汽船を使って全国各地から集めたものらしいです。全国から石を集めてまで庭園を造るとは、岩崎家がどれだけこの庭園に想いを込めていたのか、よくわかりますよね。

 

清澄庭園の大正記念館

 

そしてこちらの建造物は「大正記念館」。以前ここで大正天皇のお葬式が行われたことが名前の由来となっているそうです。しかし、当時の建物は戦争で焼失してしまったため、現存している建物は平成元年に再建されたものとのことです。

 

清澄庭園の泉水

 

清澄庭園の中心に位置しているこちらの池は「泉水」と呼ばれているそう。どうやら清澄庭園が作られたばかりの当時は、隅田川から水を引っ張ってきていたらしいです。ちなみに現在は雨水のようですが。

 

清澄庭園の泉水の風景①

 

清澄庭園の泉水の風景②

 

池の中には鳥や鯉、カメなどが泳いでいました。清澄庭園はたくさんの生き物と一緒に生きている、共存していることが分かります。

 

清澄庭園の自然①

 

清澄庭園の自然②

 

清澄庭園の自然③

 

庭園の植物をよく見てみると、白、ピンク、オレンジと色とりどり。これほどきれいな花が咲いている場所は、東京都内ではなかなか無いのではないでしょうか。園内をゆっくりと散歩しているだけで、随分と癒されました。

 

清澄庭園でのデート

 

園内の雰囲気は抜群。週末のデートにもとってもお薦めです。のんびりと心安らぐ時間を過ごすことができると思いますよ。

 

清澄庭園の鹿おどし

 

こちらの写真は「鹿おどし」。高級料亭や日本の伝統的な場所にあるイメージですが、清澄庭園にもありました。水が流れ落ちる音と竹の当たる音が何とも風流。長い時間見ていても飽きることがなく、しばらく眺めていました。

 

ここまでご紹介してきた清澄庭園ですが、季節によって草木の色が変化したり、やってくる鳥の種類が時期によって異なったりと、四季によってそれぞれの魅力があるようです。期間限定で庭園のライトアップが行われることもあるそうなので、何度が訪れてこそ、本当の良さが分かるのかもしれませんね。日本の歴史とたくさんの自然に触れたい方には、お薦めの場所です。

 

名称:清澄庭園
住所:東京都江東区清澄3丁目3-9
アクセス:東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線「清澄白河駅」から徒歩約5分

plastictふじふじ

東京都内でマーケティングプランナーをしております。旅行が趣味。自分が訪れた歴史的な地をご紹介します。

 

この周辺の人気宿ランキング

関連するお薦め記事

人気があって、しかも満足度が高いという宿はどこ?日本全国の旅館の中から上位30の宿をランキングでご紹介!
憧れの絶景宿、文化の香り高い老舗宿、そしてコスパ力の高いお得な宿も!ネット予約で5%のポイント還元!
テーマで旅行スポットを探す
地域で旅行スポットを探す